2019年5月12日「隠された宝のように」箴言2:1〜22

序−宝さがしと聞くと、わくわくするでしょう。最近、熱心にさがし求めたものが、何かありましたか。聖書を学ぶ時、それは宝さがしのようだと言います。私たちが難しい人生の問題を乗り越え、神様からの使命を果たして生きるには、主から与えられる知恵が必要です。渇望して行くならば、宝を見つけ、成長して、用いられます。箴言2章から学びます。

T−知恵をさがす態度−1〜4
 まず、聖書の知恵を求めて行く態度が教えられています。1〜4節。「主の御言葉を受け入れ、主の命令をたくわえる」ことです。1節。御言葉を受け入れ、たくわえるということは、聖書を学ぶ基本的な姿です。雨が降っても、植物が水を吸収しなければ枯れてしまうように、御言葉を聞いて、学んで、御言葉を心に受け入れなければ、むだになってしまいます。御言葉を受け入れるためには、高慢と不従順の頑なな心が砕かれて、謙遜と従順の柔らかい心が必要です。私たちの心は、どうですか。
 そして、「耳を知恵に傾け、心を英知に向け、悟りを呼び求め、英知を求める」ことが必要です。2〜3節。御言葉を聞いて、学ぶ時、積極的に求めていく姿勢が必要です。私たちは、自分の心に御言葉への飢えと渇望が、はたしてどれほどあるだろうかと点検してみましょう。信仰の成長を願うなら、御言葉で生きていこうとするなら、御言葉を慕い求めなければなりません。そのために、礼拝を大事にします。
 そのように心を傾け、求める態度は、まさに宝をさがすようだと例えています。4節。そこに鉱脈がある、そこに宝が埋まっていると御言葉に価値を認めるのです。銀の鉱脈があるならば、深く掘り下げるでしょう。隠された宝が隠されているならば、岩や土を細かくして、丹念に洗うのではないでしょうか。ですから、私たちも、宝を自分のものにできるという喜びと希望をもって、すべてを動員して御言葉を学び、導きや適用を探り出したいのです。
 イエス様は、山上の垂訓でこう言われました。マタイ7:7。「求めなさい。捜しなさい。たたきなさい」というのは、根気よく続けることをあらわしています。神の知恵は、宝のようです。それを得るためには、労力も時間も喜んで用いて見つけようとします。熱心に礼拝に出席し、セルやNLSに参加し、御言葉を黙想し、求めます。
 宝があると分かったら、どうしますか。マタイ13:44。何とかしてそれを自分のものにしようとするのではないでしょうか。その気持ちを持ってください。これから御言葉を聞く時、そこに宝が隠されているとわくわくして聞いてください。これから御言葉を読む時、宝を見つけ出すように読んでください。これから御言葉を学ぶ時、宝をさがすように学んでください。

U−知恵を求めた結果−5〜11
 熱心に宝を求めるように神の知恵を求めるならば、贈り物が与えられます。5〜12節。5,9節で「そのとき」と繰り返されています。つまり、1〜4節のようにするなら、その結果与えられるということが強調されています。まず、「主を恐れることを悟る」というのです。信仰全般において最も重要なことが、主を恐れることだということをすでに学びました。箴言1:7。主を恐れるとは、神を畏怖すること、畏れかしこむということです。主の偉大さと素晴らしさに圧倒され、神の愛とあわれみに感激することです。
 「神の知識を見出す」ということは、「神様を知る」ということです。熱心に神の知恵を求めるならば、まず、神様を知ることがなければ、その知恵をいただくことができません。6節を見てください。「主が知恵を与え、御口を通して知識と英知を与えられる」からです。そもそも私たちは、知恵と知識について勘違いをしています。自分の努力で知恵と知識が身につくと思っていることです。もちろん勉強して知識を身につけることは必要です。経験を通して世の知恵も身につけます。しかし、知識や経験を生かしてくださるのが、神の知恵なのです。
 神の知恵を求めるならば、「正義と公義と公正と、すべての良い道筋を悟る」と言われています。日常生活や仕事において、何が正しいのか、何が良い道なのか、御言葉が与えてくれる適用です。つまり、「何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知る」ということです。知識を身につけ、経験を積んだ人々が、必ずしも正しい判断や行動ができるわけではありません。ソロモン王も、「善悪を判断してあなたの民をさばくために聞き分ける心」を神様に求めました。T列王3:9。
 私たちも、問題多き人生を生きて行くために、仕事や学び、家庭生活や人間関係のために、知恵の心と判断する心を必要としています。何が正しく良い道なのか、御言葉から教えていただかなければなりません。そうしないと、私たちも失敗し、思い惑うのです。神を知るということは、本当に生きておられる神様に会うということです。恐れと感激を体験します。ですから、神を知ることを追い求めよと勧められています。ホセア6:3。
 私たちがイエス様を救い主と信じると、神様に似せて造られた性質が回復されるようになります。霊的成長をすることになります。Uペテロ3:18。このことを知って、求めなければなりません。最近は、人々が享受すべき権利や受けることができる福祉が知らされないで、受けることができなかったということが生じています。受け取ることができるポイントがサービスを知らされないまま消滅することが多くあります。神の知恵は求めなければなりません。私たちも、救いの恵みである信仰の成長、霊的造り変えを願い、求めましょう。ローマ14:19。
 知恵が私たちの心に入り、知識が知識で終わらず、私たちを楽しませるようになります。10節。なんという恵みでしょうか。そして、思慮分別が私たちを守ってくれます。11節。

V−知恵が守ってくれるもの−12〜22
 神の知恵は、私たちをどのようなことから守ってくれるのでしょうか。12〜19節。世の中で歩む時出会う二つの誘惑から、私たちを守ってくれます。まず、1つは、悪者の誘惑から守ってくれます。12〜15節。中心は、「悪の道からあなたを救い出し、ねじれごとを言う者からあなたを救い出す」ということです。12節。間違った判断、過ち、罪から私たちを守ってくれるということです。心に浮かんだ1つの御言葉が私たちを大変な間違いから守ってくれた、窮地や悩みから救い出してくれたということがしばしばあります。どんなに感謝なことでしょう。
 私たちも、ややもすれば、肉の思い中心になって、人々と同じように受け止め、判断してしまいます。窮地や悩みに陥り、間違いや罪を犯しそうになります。でも、御言葉を思い出し、神の御心に思うならば、守られ、そこから助け出されます。
 ここに登場する悪者とは、必ずしも人に害を与える者ということではありません。13〜15節。悪い者は、神様に従わないで、肉の欲に従うように私たちを誘惑する人です。私たちの判断を誤らせ、正しい道に行かせないようにするのです。だから、そのような人々を悪い人というのです。人は誰でも、心の中に御言葉を入れることをしなければ、肉の思いに従わざるをえなくなります。注意しなければなりません。
 人生には、まっすぐな正しい道もあれば、曲がりくねったやみの道もあります。神様の知恵によって歩むならば、守られ、恵みを受ける人生となります。しかし、神の知恵を求めず、自分の目によいと思うことや肉の思いを満足させる道を歩むならば、それは曲がりくねった道を行くことになります。闇の道へ進みます。聖書で罪という言葉は、その元々の意味は、的外れという意味です。ですから、正しいこと、神の御心から反れて、曲がって、離れてしまうのです。
 もう1つの誘惑は、性的な誘惑です。16〜19節。これが、どれほど危険なことでしょうか。誘惑に陥るなら、死に至り、やみに至るというのです。現代社会では、世の人々の品性と道徳が廃れているために、何が悪いことか分からなくなっています。ですから、世の人々に倣えば、霊的命を失うようになります。誘惑を避けて、私たちは御言葉に従うのです。主の御声を聞くのです。そうすれば、守られます。
 積極的には、愛すべき人を愛し、尽くすべき人に尽くすということです。17節。結婚は、互いの同意だけで結婚したのではありません。結婚は、神様の前にした神聖な契約です。神の前に、「その健やかな時も、病む時も、これを愛し、これを助け、そのいのちのかぎり堅く節操を守ることを約束した」ことを思い出すのです。「若いころの連れ合いを捨て」に似た表現に、「糟糠の妻を捨てる」という言葉があります。夫婦は、互いに自分のために労苦し、支えてくれたことを思い出すべきです。そうすれば、相手に対する不満や反発の思いも変えられ、誘惑にも陥らないでしょう。
 結論は、20〜22節です。なぜ、「正しい人は地に生き残り、悪者どもは地から絶やされる」のでしょう。正しい人は、神の知恵によって「良い人々の道に歩み、正しい人々の道を守る」からです。私たちは罪人でしたが、イエス様が私たちの代わりに十字架にかかってくださり、信じる者を義人としてくださいました。ローマ3:24。この信仰を受け取る時、義人、正しい人になるようにしてくださるのです。神の知恵によって、罪の誘惑に打ち勝ち、神の知恵をいただいて生きたいと願います。ローマ12:2。



箴言2:1 わが子よ。もしあなたが、私のことばを受け入れ、私の命令をあなたのうちにたくわえ、
2:2 あなたの耳を知恵に傾け、あなたの心を英知に向けるなら、
2:3 もしあなたが悟りを呼び求め、英知を求めて声をあげ、
2:4 銀のように、これを捜し、隠された宝のように、これを探り出すなら、
2:5 そのとき、あなたは、【主】を恐れることを悟り、神の知識を見いだそう。
2:6 【主】が知恵を与え、御口を通して知識と英知を与えられるからだ。
2:7 彼は正しい者のために、すぐれた知性をたくわえ、正しく歩む者の盾となり、
2:8 公義の小道を保ち、その聖徒たちの道を守る。
2:9 そのとき、あなたは正義と公義と公正と、すべての良い道筋を悟る。
2:10 知恵があなたの心に入り、知識があなたのたましいを楽しませるからだ。
2:11 思慮があなたを守り、英知があなたを保って、
2:12 悪の道からあなたを救い出し、ねじれごとを言う者からあなたを救い出す。
2:13 彼らはまっすぐな道を捨て、やみの道に歩み、
2:14 悪を行うことを喜び、悪いねじれごとを楽しむ。
2:15 彼らの道は曲がり、その道筋は曲がりくねっている。
2:16 あなたは、他人の妻から身を避けよ。ことばのなめらかな、見知らぬ女から。
2:17 彼女は若いころの連れ合いを捨て、その神との契約を忘れている。
2:18 彼女の家は死に下り、その道筋はやみにつながる。
2:19 彼女のもとへ行く者はだれも帰って来ない。いのちの道に至らない。
2:20 だから、あなたは良い人々の道に歩み、正しい人々の道を守るがよい。
2:21 正直な人は地に住みつき、潔白な人は地に生き残る。
2:22 しかし、悪者どもは地から絶やされ、裏切り者は地から根こぎにされる。



マタイ7:7 求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。

ホセア6:3 私たちは、知ろう。【主】を知ることを切に追い求めよう。主は暁の光のように、確かに現れ、大雨のように、私たちのところに来、後の雨のように、地を潤される。」

ローマ12:2 この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。

ローマ3:24 ただ、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認められるのです。


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