2019年5月26日「救われたのは愛して仕えるため」箴言3:11〜35

序−人々は、考えられないほどの良いことに出会ったりすると、ただ運がいいというでしょう。では、私たちはなぜ救いに選ばれたのでしょうか、救われた理由や目的は何でしょうか。今日の箇所で教えられています。

T−幸いな人−12〜20
 神様を知ることが知恵であるならば、神様から離れて生きることは、愚かなことです。ですから、主の戒めが必要です。11〜12節。神様を離れると、自分の欲に従って、自分の知恵に沿って生きるからです。貧しさや病気や生活の困難と闘うよりも大事なのは、神様から離れていた生活をやめて、神様に立ち返ることです。知恵は、自分が神様から離れていたことを気付かせ、痛みを覚えさせるのです。その心の痛みによって主の召しを思い出させ、苦難の中に主の愛を覚えさせるのです。
 13節以下では、神の知恵を得た者が、なぜ幸いであるかを教えています。14節を見ると、「儲けは銀の儲けにまさり、その収穫は黄金にまさる」と言っています。人は、儲けや収穫を追い求めていますが、それが人の欲をかきたて、悪に結びつくなら、かえって良くないものになってしまいます。箴言11:4。しかし、神の知恵を与えられているなら、儲けや収穫が自分を健全に豊かにしてくれるというのです。
 「知恵は真珠よりも尊く、どんなものも比べられない」と言います。15節。知恵の価値があまりにも高いので、真珠よりも高価であり、金銀宝石に比べられないと言うのです。ソロモン王は、神の知恵を求めたので、最も富を享受する王となりました。私たちは、宝石や金銀にまさる価値ある神の知恵を持っているのです。だから、幸いだというのです。
 世の人々の求める幸いは、富と長寿です。神の知恵を得た人は、この両方を受けるというのです。16節。イエス様の救いを受けて、天国への命をいただき、霊的な恵みと祝福を受けたからです。ヨハネ11:25〜26。どんなに幸いでしょうか。主が共におられるために、霊的祝福を受けるだけでなく、物質的な祝福も受けるのです。その晩年は、神様が本当に美しいものとしてくださいます。
 ですから、「その道は楽しい道であり、その通り道はみな平安」だというのです。17節。世の歩みでは、真実な平安と喜びがありません。罪が支配するからです。しかし、イエス様を信じて救われた者は、罪の赦しを受けて、罪の縄目から解放されているので、真の恵みと祝福を味わうことができます。イエス様は、「あなたがたにわたしの平安を与えます」と約束されました。ヨハネ14:27。不安や悩みを抱く者は、御言葉を握って、主の前に出ましょう。平安が与えられます。
 「知恵は、これを堅く握る者にはいのちの木である」と言っています。18節。アダムとエバは、いのちの木の実を食べて、エデンの園を追放されましたが、神の知恵を得た人、イエス様を信じた者は、天国にあるいのちの木を食べることができるようになります。創世記3:24,黙示録2:7。イエス様を信じて救われた者が、みな神の知恵を得て、永遠のいのちを豊かに享受して、神の国がくださる平安と幸いを味わうことを願います。
 幸いな人になるように、神の知恵を得てください。神の知恵を得るには、どうすればよいのですか。ヤコブ1:5。求めて、願ってください。そうすれば与えられます。知恵を得る者は、幸いです。主は、知恵をもって地の基を定め、英知をもって天を堅く立てられたお方ですから。19節。

U−知性と思慮とをよく見張り−21〜26
 こんなに素晴らしい神の知恵なのですから、「すぐれた知性と思慮とをよく見張り、これらを見失うな」と言っています。21節。いつも、神の知恵によって生きなさいということです。私たちが、この世を生きて行く時、神の知恵を認めるか認めないかということが、深刻な問題となっています。最も重要な理由は、私たちが世的な成功を求める場合は、神の知恵を必要としないからです。たとえば、学生が試験に受かるためには、勉強ができればいいのであって、あえて聖書をよく知っていることや主を信じる必要がないと思うからです。しかし、本当に勉強の意義や目的を知るには、御言葉によらなければならないし、信仰をもって試験に臨みます。
 神の知恵の結晶は、イエス様です。ですから、21節は、イエス様を救い主として受け入れて、すべてのことについて主の導きに従って歩みなさいという言葉だとすることができます。イエス様は、「わたしにとどまりなさい。わたしも、あなたがたの中にとどまります」と言われました。ヨハネ15:4。
 そのように主の知恵に生きて行くなら、21〜26節のような祝福を享受できます。まず、「知恵は、あなたのたましいのいのちとなり、あなたの首の麗しさとなる」と言っています。22節。イエス様を信じて救われた私たちは、罪と死の力から解放されて、永遠の命を享受するようにされています。ローマ8:2。神の知恵に生きて行くなら、栄光を受けるようになると言われます。
 そして、平安の祝福を受けるようになると約束されています。23〜26節。神の知恵通り生きる者は、常に主が守って、導いてくださるからです。人生を歩む時、私たちを躓かせることが多いです。しかし、仕事や学びの場で、社会生活の中で守ってくださるというのです。夜横になって眠る時も、神様が守ってくださいます。憂いや悩みで眠れないことがあるでしょう。しかし、主に身を寄せて、御翼の陰に身を寄せるのです。詩篇57:1。そのようにして、平安に心地よく眠ることができるのです。
 人生には、様々な誘惑や災いが罠のように待ち受けています。主がいつも私と共にいてくださり、私の足が罠にかからないように守ってくださいます。仕事や生活の中で苦難に出会い、問題を抱えることがあっても、人生を歩むことで心配や不安に陥る必要はありません。知性と思慮とをよく見張り、これらを見失わないようにするなら、神の知恵によって生きるなら、つまずきから守られます。すべての災いから守られます。詩篇121:3,7。

V−知恵は仕えるために与えられた−27〜35
 こうして、神の知恵を得た者は、幸いを享受し、守られることを知りました。このような祝福と恵みを受けたことを感謝します。私たちがイエス様の十字架を信じて、救われた目的は、何でしょうか。エペソ2:10。良い行いをするために、イエス様にあって新しく造られた者です。イエス様に倣う者となりました。Tコリント11:1。イエス様ご自身が、人々を愛し、仕えるために来られたと言われました。マルコ10:45。ですから、私たちも、人々を愛し、人々に仕えるために神の知恵を与えられたのです。人々に仕えるために、主の祝福を受け、主に守られているのです。27〜31節。
 神の知恵を持った者が、他の人との生活で守らなければならないことが、いくつか教えられています。最初に27〜28節。困っている人を助けるだけでなく、周りの人々に善を施すことも含まれています。神様からの恵みを受けた者として、人々を助け、善をなすことが当然の道理であることが強調されています。この原理を思い出せば、人のことで労苦する心が軽くなるのではないでしょうか。救いの恵みと祝福を思えば、喜んで仕えるようになるのではないでしょうか。
 29節では、隣人に悪をたくらんではならないと命じています。神の知恵を受けている者は、周りの者に害を与えてはならないというのです。迷惑をかけなければいいのね、と消極的に考えないでください。神の知恵を持った者がすべきことは、隣人を害するものではなく隣人を利することです。周りの人々を助け、人の益となるようにすることです。
 御言葉通り生きようとしている人の証しを聞きました。周りの人を愛し、助けて来ました。近所の人や子どものお友達のお母さんをよく助けていました。その人が自分の子どもが小さい時、毎朝学校に行く度に、「困ったお友達がいたら助けてあげなさい」と言って送り出していたというのです。そして、その方の子どもも、そのようにしていたそうです。
 30節では、「悪いしうちをしていないのなら、理由もなく、人と争うな」と命じています。神の知恵を受けている者は、周りの者と争うことをしません。無駄な苦情や迷惑な訴えで、人を困らせてはならないということです。余計な文句を控えることです。私たちは、ちょっとしたことで不満を感じ、文句を言っていないでしょうか。知恵を使って、状況や関係をよくすることを考えるのです。
 31節では、「暴虐の者をうらやむな。そのすべての道を選ぶな」と命じています。周りの人々をうらやましがったり、妬んだりしていませんか。そこに罪の誘惑があります。罪が支配している周りの人々の繁栄をうらやむと、それと同じ罪の行為を行うようになるからです。神の知恵を持つ者は、自分には必要のない無理な働きや状況を求めません。かえって、自分に与えられている神の知恵を感謝し、人々のために豊かに用いようとします。
 最後の部分には、神の知恵に生きる者への祝福とその姿が記されています。32〜35節。「主は、直ぐな者と親しくされ、正しい人の住まいは、主が祝福され、へりくだる者には恵みを授けられ、知恵のある者は誉れを受け継ぎ」ます。神の知恵は、人々を愛し、仕えるために与えられました。神の知恵は、他の人に仕えることであらわれるようになります。私たちが光輝いて、人々に仕える姿を見て、主をあがめるようになることを求めます。マタイ5:16。



箴言3:11 わが子よ。【主】の懲らしめをないがしろにするな。その叱責をいとうな。
3:12 父がかわいがる子をしかるように、【主】は愛する者をしかる。
3:13 幸いなことよ。知恵を見いだす人、英知をいただく人は。
3:14 それの儲けは銀の儲けにまさり、その収穫は黄金にまさるからだ。
3:15 知恵は真珠よりも尊く、あなたの望むどんなものも、これとは比べられない。
3:16 その右の手には長寿があり、その左の手には富と誉れがある。
3:17 その道は楽しい道であり、その通り道はみな平安である。
3:18 知恵は、これを堅く握る者にはいのちの木である。これをつかんでいる者は幸いである。
3:19 【主】は知恵をもって地の基を定め、英知をもって天を堅く立てられた。
3:20 深淵はその知識によって張り裂け、雲は露を注ぐ。
3:21 わが子よ。すぐれた知性と思慮とをよく見張り、これらを見失うな。
3:22 それらは、あなたのたましいのいのちとなり、あなたの首の麗しさとなる。
3:23 こうして、あなたは安らかに自分の道を歩み、あなたの足はつまずかない。
3:24 あなたが横たわるとき、あなたに恐れはない。休むとき、眠りは、ここちよい。
3:25 にわかに起こる恐怖におびえるな。悪者どもが襲いかかってもおびえるな。
3:26 【主】があなたのわきにおられ、あなたの足がわなにかからないように、守ってくださるからだ。
3:27 あなたの手に善を行う力があるとき、求める者に、それを拒むな。
3:28 あなたに財産があるとき、あなたの隣人に向かい、「去って、また来なさい。あす、あげよう」と言うな。
3:29 あなたの隣人が、あなたのそばで安心して住んでいるとき、その人に、悪をたくらんではならない。
3:30 あなたに悪いしうちをしていないのなら、理由もなく、人と争うな。
3:31 暴虐の者をうらやむな。そのすべての道を選ぶな。
3:32 【主】は、よこしまな者を忌みきらい、直ぐな者と親しくされるからだ。
3:33 悪者の家には、【主】ののろいがある。正しい人の住まいは、主が祝福される。
3:34 あざける者を主はあざけり、へりくだる者には恵みを授ける。
3:35 知恵のある者は誉れを受け継ぎ、愚かな者は恥を得る。


黙示録2:7 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者に、わたしは神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせよう。

ヤコブ1:5 あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます。

詩篇121:3 主はあなたの足をよろけさせず、あなたを守る方は、まどろむこともない。
121:7 【主】は、すべてのわざわいから、あなたを守り、あなたのいのちを守られる。

エペソ2:10 私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをもあらかじめ備えてくださったのです。

マタイ5:16 このように、あなたがたの光を人々の前で輝かせ、人々があなたがたの良い行いを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい。

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