2019年9月22日「人生は言葉の力にかかっている」箴言18:1〜24

序−米メリーランド大学の研究結果によると、男性が1日に発する単語数は平均7千語、女性の場合は平均2万語です。口から出る言葉は、言った先から消えて行くようなものではなくて、言葉が私たちの生死を決め、人生に影響を与えるというのです。心して今日の箇所を学びましょう。

T−言葉には力がある−
 今日の箇所の中心は、20〜21節です。「死と生は舌に支配される」とありますが、多くの英語訳が、「死と生は舌の力にある」と訳しています。人の生死がその人の言葉にかかっている、言葉には力があると宣言しています。言葉には力があります。自分の口を見張る者は自分のいのちを守ると教えています。箴言13:3。一言が人の心を刺し殺し、一言が人をいやしもします。箴言12:18,15:4。一言が、毒となって、人を蝕みます。詩篇140:3。言葉は、人を生かしもするし、殺しもします。言葉は、人を幸せにもし、不幸にもするのです。それほどに人に強い影響を与えるのです。
 それより重要なのは、言葉を言う本人に最も大きな影響を与えるということです。言葉は、自分自身に致命的な影響を与え、自分を喜ばせたり、悲しませたり、自分を元気にしたり、病気にさせたりします。心で思い考えたことが、言葉となって口から発せられ、それが現実化するからです。ナポレオン・ヒルは、20年かけて500人の成功者を調べた結果、「思考は現実化する」という本を書きました。
 ですから、自分の現在の状態は、過去に口にした言葉の結果であり、現在の言葉が将来の自分を決定することになります。愚か者や悪者の姿は、その言葉によってなったものです。1〜13節。どれほど、言葉に力があるか、ヤコブ3:3〜6の例えを見ましょう。馬のくつわ、舟の舵は小さいものですが、大きな馬と大きな船の方向を決定します。私たちの人生の舵は、言葉です。肯定的な言葉を用いれば肯定的な人生になり、否定的な言葉を使えば否定的な人生になります。良い言葉や御言葉を用いれば、賢い知恵ある者となり、悪い言葉や愚かな言葉を使えば、愚か者悪者になります。
 なぜ、言葉のとおりに、言ったようになるのでしょうか。出エジプトの民の姿を引用しましょう。13〜14章。エジプトを出た民がカナンを偵察します。偵察して来た12人の内、ヨシュアとカレブだけが、その地はすばらしく良い地だ、主は私たちをあの地に導きいれてくださる、恐れてはならないと報告しました。しかし、残りの者たちは、その地の民に比べたら自分たちはいなごだのようだ、約束の地には入れないと民に悪く言いふらしました。民数記13:32〜33。否定的な報告を聞いた民は、絶望と後悔と恨みの感情を抱き、約束の地に入れませんでした。その理由は、主が民の言った言葉の通りにされたからでした。民数記14:27〜30。
 主なる神は、私たちが言ったことを、呟きまでも聞いておられます。神様は、私たちが言った言葉を聞いて、事を行なわれます。神様は、私たちの言葉通り、信仰のとおり成し遂げられます。ヨシュアとカレブは約束の地に入ることができました。神様は、入ることができる、勝てると言う肯定的な人と一緒に働いてくださいます。
 現代医学の研究によると、言語が脳細胞に影響を与えるそうです。私たちの言葉が、私たちの脳を刺激して、行動するように支援するのです。肯定的な言語を用いると、生き方が肯定的になります。口が死にそうだと言えば、細胞や組織は、その準備をするというのです。

U−良い言葉を用いてください−
 幸福と不幸が自分の言葉にかかっています。言語生活を点検してください。まず、自分自身に良い言葉を与えてください。励ましや祝福の言葉を自分に与えてください。問題が起こっても、私はだめだ、絶望だと言わないようにします。ヨブは、次々と不幸と苦しみが襲って来ても、奥さんに「神をのろって死になさい」と言われても、「罪を犯すようなことを口にしなかった」のです。ヨブ2:9〜10。結果、ヨブの繁栄は元通りとなり、所有物も2倍に増やされました。ヨブ42:10。
 ですから、自分自身に良い言葉を言うことを決断しましょう。否定的な言葉、絶望的な言葉は軽率に言わないで、自分を励まし、祝福する言葉を言いましょう。もちろん、他の人々にも、良い言葉を言いましょう。励ましの言葉、賞賛の言葉、祝福の言葉を言うのです。誰にでも、良い所と足りない所があります。長所を見て、良い所を言ってあげるのです。足りない所や失敗を続けて言うならば、その心を殺すことになります。本当にその人を愛して心通じている人なら忠告も言えますが、それでも、多くの良いことの中に1つ忠告を言うくらいです。人に言う言葉であっても、まずその言葉を聞くのは、自分自身です。口から出た言葉は、他の人に影響を与えるとともに、自分に影響を与えるのです。
 とりわけ、身近な家族に良い言葉を与えてください。私たちの社会は、身内の者より他人への気遣いを優先しがちですが、身近な者こそ、良い言葉を必要としています。家族こそ、肯定的な言葉、愛や賞賛の言葉に飢えています。ぞんざいな言葉、否定的な言葉を使っているなら、今!変えましょう。あなたと出会って幸いだ。お前は私の誇りだなどと。愛が込められた温かい一言は、人の人生を変える力があります。
 有名な祈りの人、孤児の父ジョージ・ミュラーは、若い頃はいかがわしい所と警察署を行き来しているような人でした。彼をキリスト教史に残る信仰の人と変えるきっかけとなったのは「ジョージ。神は、一度選んだ子供を絶対に捨てておられない。落胆せずに努力すればあなたは必ず立派な人になる」という相談に行った先の牧師の一言でした。成功した人の背景には、必ず成功に導いてくれた言葉があり、幸せな人の背景には、必ず幸せをくれた言葉があります。言葉には力があり、影響力があるからです。
 20〜21節では、言葉は口から出たら消えるのではなく、実を結ぶと言っています。言葉は、人の心に落ちて、実ります。大きな影響力を与えます。思わず吐いた言葉が、夫婦に亀裂を起こし、子どもの人生を狂わせます。感情を抑制できず噴出した言葉が、関係を破壊します。一方、温かい一言が子どもの人生を変え、夫婦関係や職場の人間関係を修復させます。どちらを口にして、その実を食べるかは、自分次第です。私たちの話す言葉の種が人の心の中に入り込み、命の種となり、死の種ともなります。「むだなことばについて、さばきの日には言い開きをしなければなりません」という御言葉を心に留めます。マタイ12:36。

V−救われた者が良い言葉を−
 言葉によって世を創造された神様が、人に世のすべてを治め、管理することを命じられ、そのために人に知恵と言葉を与えられました。創世記1:26〜28。しかし、罪によって、言葉は破壊的なものに変質してしまいました。神は、堕落した人類を救うために、イエス様を送られました。世に来られたイエス様は、福音を伝えて、言葉で人を癒されました。マタイ15:28,マルコ5:41〜42。そして、イエス様を信じる者に、罪の赦しと天国へのに加えて、何が与えられたのでしょう。ヨハネ14:12〜13,マルコ11:23〜24。イエス様を信じれば、罪によって失われた言葉の権威が回復されます。ですから、聖徒は、もはや破壊的な言葉で自分を汚してはならない。悪い言葉で人を刺してはなりません。神のかたちを回復された者だからです。
 言葉は、自己像を変化させます。私たちは、自分自身をどう見ていますか。きっと、親が言って来た言葉や周りの人々が言う言葉で自己像が築かれているでしょう。それが、否定的なものであるなら、すぐに変えられなければなりません。なぜなら、そうではないからです。神様は、私たちの正しい自己像を教えています。イエス様を信じた私たちは、神の子どもとされています。ヨハネ1:12。救われた人は、新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、すべてが新しくなりました。Uコリント5:17。選ばれた王なる祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。Tペテロ2:9。
 私たちは、信仰の言葉を用います。信仰の言葉は、神の主権を信頼する、肯定的な言葉です。もちろん、人生を生きて行くと困難も落胆することも起こります。それでも、肯定的に考えて、良い言葉を話すことが私たちの生きる秘訣です。感謝と賛美の言語は、神への最高の言語です。私たちが救われて、神の子どもとされたことについて、どれほど神様に感謝して、イエス様を賛美しているでしょうか。感謝は、環境の問題ではなく、信仰の問題です。感謝の言語を用いると、私たちの心が元気になります。感謝の言語を使い続けると、私たちの言語は、感謝体質に変わります。
 「ありがとう100万回の奇跡」という本があります。48歳で子宮癌になり、余命1ヶ月と宣告された著者が、すべての臓器と細胞に「ありがとう」を言い続けた結果、10ヶ月後には「ガンがすべて消えていた」という実体験を書いた本です。イエス様の十字架によって救われて、愛される神の子とされている私たちは、なおさら、神様に感謝して、感謝と賛美の言葉を言い、肯定的で良い言葉を用いましょう。
 どうしたら、良い言葉を口から出すことができるのでしょうか。「良い人は、良い倉から良い物を取り出す」ことができます。マタイ12:35。良い言葉を用いるには、良い心になることです。イエス様を信じて、新しい心になり、御言葉をたくさん食べて生きて行くなら、やがて心から出る言葉が信仰の言葉となります。エペソ4:29。



箴言18:1 おのれを閉ざす者は自分の欲望のままに求め、すべてのすぐれた知性と仲たがいする。
18:2 愚かな者は英知を喜ばない。ただ自分の意見だけを表す。
18:3 悪者が来ると、侮りも来る。恥とともに、そしりも来る。
18:4 人の口のことばは深い水のようだ。知恵の泉はわいて流れる川のようだ。
18:5 悪者をえこひいきすることはよくない。正しい者をさばきのときに否むこともよくない。
18:6 愚かな者のくちびるは争いを起こし、その口はむち打つ者を呼び寄せる。
18:7 愚かな者の口は自分の滅びとなり、そのくちびるは自分のたましいのわなとなる。
18:8 陰口をたたく者のことばはおいしい食べ物のようだ。腹の奥に下っていく。
18:9 自分の仕事をなまける者は、滅びをもたらす者の兄弟である。
18:10 【主】の名は堅固なやぐら。正しい者はその中に走って行って安全である。
18:11 富む者の財産はその堅固な城。自分ではそそり立つ城壁のように思っている。
18:12 人の心の高慢は破滅に先立ち、謙遜は栄誉に先立つ。
18:13 よく聞かないうちに返事をする者は、愚かであって、侮辱を受ける。
18:14 人の心は病苦をも忍ぶ。しかし、ひしがれた心にだれが耐えるだろうか。
18:15 悟りのある者の心は知識を得、知恵のある者の耳は知識を求める。
18:16 人の贈り物はその人のために道を開き、高貴な人の前にも彼を導く。
18:17 最初に訴える者は、その相手が来て彼を調べるまでは、正しく見える。
18:18 くじは争いをやめさせ、強い者の間を解決する。
18:19 反抗する兄弟は堅固な城よりも近寄りにくい。敵意は宮殿のかんぬきのようだ。
18:20 人はその口の結ぶ実によって腹を満たし、そのくちびるによる収穫に満たされる。
18:21 死と生は舌に支配される。どちらかを愛して、人はその実を食べる。
18:22 良い妻を見つける者はしあわせを見つけ、【主】からの恵みをいただく。
18:23 貧しい者は哀願するが、富む者は荒々しく答える。
18:24 滅びに至らせる友人たちもあれば、兄弟よりも親密な者もいる。



箴言13:3 自分の口を見張る者は自分のいのちを守り、くちびるを大きく開く者には滅びが来る。

箴言12:18 軽率に話して人を剣で刺すような者がいる。しかし知恵のある人の舌は人をいやす。

ヤコブ3:3 馬を御するために、くつわをその口にかけると、馬のからだ全体を引き回すことができます。
3:4 また、船を見なさい。あのように大きな物が、強い風に押されているときでも、ごく小さなかじによって、かじを取る人の思いどおりの所へ持って行かれるのです。
3:5 同様に、舌も小さな器官ですが、大きなことを言って誇るのです。ご覧なさい。あのように小さい火があのような大きい森を燃やします。
3:6 舌は火であり、不義の世界です。舌は私たちの器官の一つですが、からだ全体を汚し、人生の車輪を焼き、そしてゲヘナの火によって焼かれます。

民数記14:6 すると、その地を探って来た者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブとは自分たちの着物を引き裂いて、
14:7 イスラエル人の全会衆に向かって次のように言った。「私たちが巡り歩いて探った地は、すばらしく良い地だった。
14:8 もし、私たちが【主】の御心にかなえば、私たちをあの地に導き入れ、それを私たちに下さるだろう。あの地には、乳と蜜とが流れている。

民数記13:32 彼らは探って来た地について、イスラエル人に悪く言いふらして言った。「私たちが行き巡って探った地は、その住民を食い尽くす地だ。私たちがそこで見た民はみな、背の高い者たちだ。
13:33 そこで、私たちはネフィリム人、ネフィリム人のアナク人を見た。私たちには自分がいなごのように見えたし、彼らにもそう見えたことだろう。」

民数記14:27 「いつまでこの悪い会衆は、わたしにつぶやいているのか。わたしはイスラエル人が、わたしにつぶやいているつぶやきを、もう聞いている。14:28 あなたは彼らに言え。これは【主】の御告げである。わたしは生きている。わたしは必ずあなたがたに、わたしの耳に告げたそのとおりをしよう。

マタイ12:35 良い人は、良い倉から良い物を取り出し、悪い人は、悪い倉から悪い物を取り出すものです。
12:36 わたしはあなたがたに、こう言いましょう。人はその口にするあらゆるむだなことばについて、さばきの日には言い開きをしなければなりません。

ヨハネ1:12 しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。

Uコリント5:17 だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。

Tペテロ2:9 しかし、あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。それは、あなたがたを、やみの中から、ご自分の驚くべき光の中に招いてくださった方のすばらしいみわざを、あなたがたが宣べ伝えるためなのです。

エペソ4:29 悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。

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