小グループで聖書を学ぶ
授かりもの、預かりもの(Tサムエル1:10〜28)

「心の門を開いて」

 昔から「子どもは天からの授かりもの」と言われて来ましたが、放棄や虐待など最近子育ての問題が多くなるにつれて、そうではなく、「子どもは預かりもの」という言葉が使われるようになりました。どちらも聖書的だと思います。今日の箇所に登場する母ハンナの姿を通して、子どもについて大切な観点を学びましょう。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 ハンナは、子どもがいないために心が痛み、泣いて主に祈りました。その祈りの中で、子どもは主がどうしてくれると言っていますか。そして、生まれた子どもはどういうものだと言っていますか。詩篇では、子どもについて、どのように言われていますか。
・11,20,27節/
・詩篇127:3/

2 ハンナは、神様が祈りに応えてその子を授けてくださったと告白しています。子どもは神が授けてくださるもの、神の所有と考えています。ところが、社会において人々は、子どもは天からの授かりものと言っていても、実際には、自分のものという思いしかないようです。子どもを自分のものだと思っていると、人はこどもをどのように扱うようになりますか。子育てがうまく行かなくて問題が起こると、どんなマイナスイメージになりやすいですか。



3 子どもは自分のものだとすれば、自分の思いで子どもを育てようとし、自分の期待を押し付けるようになります。ひどくなれば、放棄したり、虐待したりするようになります。いつしか子どもは荷物、負担にも思い、心の病気にもなります。ハンナは、与えられたら子どもをどうすると言っていますか。実際に、与えられた子どもをどうしましたか。
・11節/
・27〜28節/

4 子どもを神にささげる、主に渡すというのは、親が子どもを自分のもののようにコントロールしないということです。アデル・フェイバという教育学者は、「多くの子供たちが、親の脅しによってしばらくの間は少し変化したりするが、すぐに古い習慣に戻っていく。そして、彼らの心の中に親への不信感が生じるようになる」と言っています。そして、「子どもが聞いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方」が必要だと言っています。それは、どんな話し方や聴き方だと思いますか。

5 子どもに必要なのは、気持ちを分かってあげることと、気持ちの整理をちょっとだけ手伝うことではないでしょうか。「その子の頭に、かみそりをあてません」とは、どういうことですか。それは、その子をどのような人として育てることになりますか。
・11節/
・民数記6:5,2/

6 ナジル人は、主なる神のものと聖別された人を意味します。つまり、ハンナは、神が子供を与えてくだされば、その子を生涯神の人として育てると約束したのです。幼児洗礼の意味も、子どもを神にささげ、信仰によって養育するという親の信仰告白です。ハンナは、その約束のためにどのような行動をしていますか。それは、どんなことを意味しているのですか。
・24,28節/


7 ハンナは、サムエルを主の宮に連れて来て、祭司に渡しました。それは、私たちにすれば、教会に連れて来て、礼拝生活をすることであり、御言葉で養育するということです。子どもは、親と一緒に信仰生活し、御言葉を教えられることによって、親の価値観を受け継ぎます。聖書は、母の信仰が子どもに伝わって行くことをどのように証ししていますか。
・Uテモテ1:5/
・Tコリント11:1/

8 ハンナは、子どもが与えられるためにだけに祈ったのではありません。祈りの中で与えられたのですから、その子のために生涯祈り続けました。ハンナの祈りは、どれほどのものですか。また、祈った後どのように心は導かれていましたか。
・12〜16節/
・17〜18節/

9 聖徒たちが実際に子どもを育てる時、信仰的でない時、反抗する時期もあるでしょう。有名な神学者教父アウグスティヌスは、若い時放蕩三昧をしていました。涙で祈っていた母モニカは、アンブロシウズ司教に相談すると、「このような涙の子が滅びるはずはありません」と祝福しました。アウグスティヌスは母の涙の祈りによって回心し、キリスト教の歴史に最も偉大な足跡を残す学者となりました。この話を読んで思うことは何ですか。


「命の実を刈り取ろう」

 モニカのように子どもが神様から離れるような時、諦めないで涙の祈りをささげて、主に委ねてください。たとえ、欠けや弱さがあったとしても、父母の祈りを通して奇跡の子が育つことを期待しましょう。涙で子どものために祈ったハンナもモニカも、信仰の母として模範を見せてくれました。私たちは、子や孫のために、自分自身が真実に信仰に生きて、模範となるように生きることを願います。今日の学びを通して気付かされたことや決心したことなどを分かち合い、互いのために祈りましょう。Tコリント11:1。

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