2020年1月19日「子供たちは祝福し、夫は賞賛する」箴言31:1〜31

序−箴言最後の章には、信仰の女性の姿が記されてあります。それだけ、重要だということです。家庭を築き、家族を養い、教会を支え、社会を守る大事な働きをしているからです。母として妻として、夫や子どもにも大いに関係しています。

T−母の願い−1〜9
 この章は、レムエルという人が、母から受けたことばが記されています。1節。レムエルが誰をさしているかは、分かっていません。レムエルという名前の意味は、「神に属する者」という意味です。信仰の母親が、個人的に息子を呼ぶ際に使った愛称なのかもしれません。この名前は、母親が自分たちに課せられた信仰による養育義務を思い出させたことでしょう。とにかく、信仰の母親が、息子が社会で責任を果たして行くために、どんなことが必要かを心配しているかが分かります。
 どんなことを心配し、行うように言っているのでしょうか。2〜9節。内容は、女性と酒と仕事です。いつの時代でも同じですね。とりわけ強調していたのは、酒でした。4〜6節。「レムエルよ。酒を飲むことは王のすることではない」と、はっきり酒は飲まないでと母は息子に求めています。今日も、お酒は人の判断を狂わせ、争いを助長し、罪を犯させます。酒で身を滅ぼした人の話はいたる所にあります。アメリカでは、酒で死亡する学生が毎年数千人になります。しかし、米国の一流ビジネスマン28人を無作為に選んで調査した結果、そのうち22人が酒を口にしない人でした。
 聖書が酒を飲まないようにと言う理由を箴言から引用してみましょう。酒を飲む者が嘲り、大騒ぎするからです。20:1。酒にふける者が、わざわいを招き、争いを好み、傷を受けるからです。23:29〜30。酒を飲むと生活が崩れ、貧しくなると警告しています。23:21。ですから、酒飲みとは付き合わないようにしました。23:20。子供たちには、お酒は見ることもしないようにさせました。23:31。
 聖書には、ぶどう酒が多く出ていますが、飲料に適した水が少なかった当時の状況では、飲料として使用されたものです。自然発酵ですから、1%にもなりません。そして、肉体的な苦痛と精神的な苦悩の中にいる者に使用したにすぎません。6〜7節, マタイ27:34,Tテモテ5:23。飲酒の動機や目的、量などの議論を行うことは、何の意味もありません。神様の御前に敬虔に生きようとする人が、聖書がお酒を飲まないように言っていることを知れば、弁論の余地はなくなります。
 酒は、思慮を狂わせ、精神的堕落をもたらし、放蕩させて、徳を失わせることになります。ローマ13:13。イエス様を信じて、イエス様に似た者になろうとするなら、飲まないようになります。心の憂いや解放ならば、酒に酔うよりも、御霊に満たされることを願うようになります。エペソ5:18。

U−しっかりした妻−10〜27
 レムエルの母は、良くない女性に気をつけるように息子に言いましたが、10節以下で、自分の息子に「しっかりした妻」について教えています。「しっかりした」とは、高潔とか有能とか賢いなどと訳されています。もちろんの母親である自分も、一人の女性としてしっかりした女性になろうと努力した人でしょう。10〜31節は、各節の最初の単語が、ヘブル語のアルファベット順になっています。「しっかりした女性」が、多くの人々に覚えられ易いように記されたようです。
 しっかりした妻は、夫に信頼を与えます。11節。生きている間ずっと夫に良いことをして、悪いことをしません。12節。この言葉は、家の中のすべてを、妻に任せるという意味です。夫と競争しようとしていません。自分の喜びを夫とのつながりの中で楽しんでいます。自分を夫と分離させることを考えずに、夫の助け手として働きます。イエス様は、「神が結び合わせたものを引き離してはなりません」と教えられました。マルコ10:9。
 夫は町囲みのうちで人々によく知られ、土地の長老たちとともに座に着きます。23節。その夫が町囲みのうちで人々によく知られるというのは、町で影響力のある地位に置かれるということです。しっかりした妻の勤勉さと誠実さと知恵が、家を平安にして、豊かにさせ、その結果、夫は対外的な仕事に力を注ぐことができるようになります。町から尊重される有力な人となりました。
 イエス様は、どのような夫婦を教えられましたか。エペソ5:23〜25。妻は夫に従い、夫は妻を愛しなさいということです。夫に従うというのは、夫を尊敬して、夫を立てるということです。このしっかりした妻は、まさに夫を立てて、夫がよく働き、評価を得られるようにしました。
 最初からすべての面で尊敬に値する夫は一人もいません。ですから、妻が夫を立てて尊敬するのは、「夫を尊敬される人に作る」という意味があります。はじめから尊敬して立てるにふさわしい夫だからそうしたのではなく、しっかりした妻が、夫に良いことをし、立ててくれたので、夫の信頼を得、よく働く夫、町に認められる有力な人となったのです。夫も妻を大切にして、いのちの恵みをともに受け継ぐ者として尊敬しなさいと命じられています。Tペテロ3:7。
 神は助け手を与えて、自分の足りない部分を満たしてくださいます。結婚した後に相手の欠点を発見して、「こんな人と結婚してしまった」と思うのでなく、「なるほどまさにこのために、神が相手と結婚させてくださった」と思いましょう。夫婦は互いに理解し、容認する心だけ持っていれば、幸せになることができます。
 この女性は、喜んで自分の手で仕事をします。勤勉に働きます。13〜19節。様々な仕事をしています。よく調べて、計画的にしています。外の仕事も行い、ビジネス上の利益も上げます。24節。私たちの家庭で見ても、女性には生活や育児などの仕事があまりにも多く、外の仕事や責任もあることを覚えなければなりません。家庭の仕事に休みはありません。
 さらには、悩んでいる人に手を差し出し、貧しい者に手を差し伸べます。20節。そして、彼女は、力と気品を身につけ、ほほえみを絶やさず、知恵深く語り、その舌には恵みのおしえがあります。躓きを与えるおしゃべりや噂話をするのではなく、必要な時人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与える人だということです。Tテモテ5:13,エペソ4:29。
 ローラ・ドイルの「降伏した妻」という本があります。著者のドイルは、結婚した当初、自分の夫を自分の思うように変えるために多くの努力をしましたが、夫は自分から離れ、互いにとげが出て、刺されるようになりました。やがて、彼女は夫を支配しようとすることに疲れてやめた時、不思議なことが起こりました。夢見ていた夫との愛の関係が生じて来たのです。
 自分が変わる時、相手が変化するようになります。降伏する人が真の勝利者です。たとえ相手が変わらないとしても、変化した自分は味わい深い人生を生きるようになります。たとえ御言葉に従わない夫であっても、妻の無言のふるまいによって、神のものとされるようになります。どのような言葉よりも、妻の行動や態度がより大きな影響力を及ぼします。夫をまず、イエス様の愛で愛してください。

V−幸せな妻、母、家庭−28〜31
 この女性の家庭は、大変幸せな家庭であり、この女性は、幸せ者です。まず、子どもたちから祝福と感謝があります。28節。子どもたちが立ち上がって、彼女を幸いな者と言います。母に対する子どもたちの尊敬と賞賛があらわれています。子どもたちから尊敬と賞賛を得たならば、長い間の労苦も報われるでしょう。子どもから、この家に生まれて良かった、育ててくれてありがとうなどと言われたら、それだけで幸せ者なのです。
 次に、夫が妻を賞賛する妻は幸いです。29節。彼女の夫は、「しっかりしたことをする女は多いけれど、あなたはそのすべてにまさっている」とほめたたえています。女性の最大の幸福は、他の人から賞賛を聞くよりも、愛する夫から心からの賞賛を聞くことです。
 そして、彼女は、「町囲みのうちでほめたたえられる」ようになります。31節。その場所で賞賛を受けるのは、町のすべての人々から良い評判を受けることです。家庭共同体でのみ認められるものではなく、社会共同体でも認められ、賞賛を受けるのです。
 何と言っても、幸せな家庭は、神に仕える信仰があります。30節。主を恐れる女性はほめたたえられます。幸福は、外見の美しさや体の健康や経済的な豊かさにあるのではありません。偉大な人の背後には偉大な母がいて、信仰の夫のそばには信仰の妻がいました。モーセの後ろに主を恐れるヨケベテがおり、サムエルの後ろにハンナの祈りがあり、テモテの背後に母ユニケがおりました。夫アクラを妻プリスキラが支えていました。
 聖書には、人が人に感謝するという言葉がありません。ですから、子どもや夫が、しっかりした母や妻を賞賛しているのは、感謝しているということです。「幸いな者だ」という言葉は祝福するという意味であり、賞賛する言葉は、感謝という言葉よりも強く、積極的な表現です。子どもたちは、お母さんに感謝しましょう。夫は、まず妻に感謝しましょう。愛するよりも、多くの感謝すべきことがありますから、感謝しましょう。賞賛します。そして、イエス様が教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、夫も、自分の妻を愛するのです。28〜29節。
 


箴言31:1 マサの王レムエルが母から受けた戒めのことば。
31:2 私の子よ、何を言おうか。私の胎の子よ、何を言おうか。私の誓願の子よ、何を言おうか。
31:3 あなたの力を女に費やすな。あなたの生き方を王たちを消し去る者にゆだねるな。
31:4 レムエルよ。酒を飲むことは王のすることではない。王のすることではない。「強い酒はどこだ」とは、君子の言うことではない。
31:5 酒を飲んで勅令を忘れ、すべて悩む者のさばきを曲げるといけないから。
31:6 強い酒は滅びようとしている者に与え、ぶどう酒は心の痛んでいる者に与えよ。
31:7 彼はそれを飲んで自分の貧しさを忘れ、自分の苦しみをもう思い出さないだろう。
31:8 あなたは口のきけない者のために、また、すべての不幸な人の訴えのために、口を開け。
31:9 口を開いて、正しくさばき、悩んでいる人や貧しい者の権利を守れ。
31:10 しっかりした妻をだれが見つけることができよう。彼女の値うちは真珠よりもはるかに尊い。
31:11 夫の心は彼女を信頼し、彼は「収益」に欠けることがない。
31:12 彼女は生きながらえている間、夫に良いことをし、悪いことをしない。
31:13 彼女は羊毛や亜麻を手に入れ、喜んで自分の手でそれを仕上げる。
31:14 彼女は商人の舟のように、遠い所から食糧を運んで来る。
31:15 彼女は夜明け前に起き、家の者に食事を整え、召使いの女たちに用事を言いつける。
31:16 彼女は畑をよく調べて、それを手に入れ、自分がかせいで、ぶどう畑を作り、
31:17 腰に帯を強く引き締め、勇ましく腕をふるう。
31:18 彼女は収入がよいのを味わい、そのともしびは夜になっても消えない。
31:19 彼女は糸取り棒に手を差し伸べ、手に糸巻きをつかむ。
31:20 彼女は悩んでいる人に手を差し出し、貧しい者に手を差し伸べる。
31:21 彼女は家の者のために雪を恐れない。家の者はみな、あわせの着物を着ているからだ。
31:22 彼女は自分のための敷き物を作り、彼女の着物は亜麻布と紫色の撚り糸でできている。
31:23 夫は町囲みのうちで人々によく知られ、土地の長老たちとともに座に着く。
31:24 彼女は亜麻布の着物を作って、売り、帯を作って、商人に渡す。
31:25 彼女は力と気品を身につけ、ほほえみながら後の日を待つ。
31:26 彼女は口を開いて知恵深く語り、その舌には恵みのおしえがある。
31:27 彼女は家族の様子をよく見張り、怠惰のパンを食べない。
31:28 その子たちは立ち上がって、彼女を幸いな者と言い、夫も彼女をほめたたえて言う。
31:29 「しっかりしたことをする女は多いけれど、あなたはそのすべてにまさっている」と。
31:30 麗しさはいつわり。美しさはむなしい。しかし、【主】を恐れる女はほめたたえられる。
31:31 彼女の手でかせいだ実を彼女に与え、彼女のしたことを町囲みのうちでほめたたえよ。



Tペテロ3:7 同じように、夫たちよ。妻が女性であって、自分よりも弱い器だということをわきまえて妻とともに生活し、いのちの恵みをともに受け継ぐ者として尊敬しなさい。それは、あなたがたの祈りが妨げられないためです。

エペソ4:29 悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。

エペソ5:23 なぜなら、キリストは教会のかしらであって、ご自身がそのからだの救い主であられるように、夫は妻のかしらであるからです。
5:24 教会がキリストに従うように、妻も、すべてのことにおいて、夫に従うべきです。
5:25 夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、あなたがたも、自分の妻を愛しなさい。

マルコ10:9 こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません。

Tペテロ3:1 同じように、妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。たとい、みことばに従わない夫であっても、妻の無言のふるまいによって、神のものとされるようになるためです。
3:2 それは、あなたがたの、神を恐れかしこむ清い生き方を彼らが見るからです。

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