小グループで聖書を学ぶ

11 私たちを心に留めてください(哀歌5:1〜18)

「心の門を開いて」

 別離や災害などによって強い喪失感におそわれるようになると、悲嘆にくれ、無気力やうつ状態になることがあります。国の滅亡と都の破壊によって、エルサレムの人々は深い喪失感におおわれました。きょうの箇所を通して、どうして人が喪失感を抱くようになるのか、回復の道はどうなって行くのかついて学びます。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 バビロン軍によってエルサレムの城壁が破られ、町が破壊され、略奪、蹂躙が行われ、神殿や宮殿も焼き払われ、すべてが廃墟となりました。生き残った人々は、どんな状態になったのでしょうか。それらを失った彼らの気持ちはどうなったと思いますか。
・2〜5節/
・イザヤ13:7/(参考)

2 家も家族も失われ、一人残されました。どれほどの喪失感、孤独感でしょうか。土地を失い、水も薪もお金を払って手に入れなければなりません。それまでの境遇は失われ、奴隷とされ牛馬のように休みなく働かされました。また、敗戦後の人々の日常生活はどのようになっていますか。どんな様子ですか。
・11〜15節/
・エゼキエル21:7/

3 かつての社会的地位や立場というものが失われました。平和な日常生活も失われ、危険な状態の中で生きなければなりませんでした。悲しく、辛い思いをしたことでしょう。特に、神の民としてどんな状態になったことが記されていますか。それは、彼らにとって、何が失われたことになりますか。
・2,16,18節/
・イザヤ28:3,詩篇74:2/ (参考)

4 冠とは誇りの象徴であり、シオンの山とは神の臨在するところです。それが失われ、廃墟になったというのは、神の民としての尊厳が失われたということです。あなたも、自尊心や尊厳が失われたというようなことがありますか。どんな思いになりましたか。
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5 エルサレムの神の民が体験した喪失感は、かつて自分たちに付属していたことをことごとく失ったことに起因します。親密感のあった人や物という対象の喪失です。家族や友人、ペットとの離別や死別によって深い喪失感におそわれ、長く親しんだ器具や道具を失うことや所属していた学校や職場などから離れたことでも喪失感を覚えます。あなたは、どんなことで喪失感を強く感じたことがありますか。
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6 あまりにも大きな喪失感を覚えると、人は精神的、身体的な影響を受けるようになります。多くのものを失って、深い喪失感におおわれたエルサレムの人々には、どんな影響があらわれていますか。
・15,17節/
・哀歌1:4/

7 人が極端な喪失感を経験すると、心がうつろになり、それが続くとうつ病になります。睡眠障害や頭痛、疲労感や体調不良といった身体的反応もあらわれます。人生は、喪失の連続、繰り返しのようなものです。生活の変化によって愛着のある大切な対象を失うことは避けることができません。喪失感は、自然に起こる感情のプロセスなのです。では、回復するためには、どうしたらよいのでしょうか。哀歌の詩人は何をしていますか。
・1節/
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8 「心を留め」と訳されたザカルは、覚えているという意味の言葉です。私たちに起こったことを覚えてくださいと祈っています。喪失感からの回復のために、心理学が勧めていることに、グリーフ・ワークと呼ばれているものがあります。それは、喪失感を癒すプロセスのことで、その第一歩は感情をありのままに吐き出すということです。哀歌の詩人は、喪失感の感情をすべて吐き出して祈りました。その結果の変化の一つは何ですか。
・7節/
・16節/

9 喪失感を抱えると、原因となったことへの恨みや怒りも生じて来ます。喪失は父祖たちの罪のせいだと言って詩人は、喪失を吐き出していくうち、自分たちの罪のせいだと告白するに至ります。心理学では、感情をあるがままに吐き出した後は、感謝するようにと勧めています。それが、喪失感の癒しにつながるからです。聖書では何を勧めていますか。
・詩篇103:2〜5/

「命の実を刈り取ろう」

 人生において自分の一部のように愛着を持てる存在に出会ったことは奇跡ですし、一緒に過ごした時間は消えません。神の民も、すべてが与えられていたことを感謝するようになります。イエス様は、御子としてのすべてのことを失いながら、十字架にかかられました。ピリピ2:6〜8。それゆえに、私たちは救われ、罪赦され、失われていた神の子どもとしての特権と天国への命を回復し、恵みと祝福を受ける者とされました。学びで与えられた気付きや決意を分ち合い、互いのために祈りましょう。エレミヤ31:11〜13。

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