小グループで聖書を学ぶ
6 偽りの行動に引き込まれ(ガラテヤ2:11〜16)

「心の門を開いて」

 古代ギリシャの詩人ピンダロスは、「慣習こそ万物の王」と言いました。習慣というものは、その民族の中で長年続けられて来たもので、間違っていても変わることがないからです。個人の習慣もまたしかりでしょう。その弊害がきょうの箇所の事件を引き起こしています。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 迫害によってエルサレムから散らされたユダヤ人がアンティオキアに来て、異邦人にも福音を伝えたことから、そこに教会ができました。はじめての異邦人教会でした。このアンティオキア教会で事件が起きました。どんな事件ですか。
・12節/


2 当時のユダヤ人にとって、異邦人はただ外国人というのではなく、偶像崇拝者、汚れた者、罪人という意味でした。食べてはならない食べ物を食べ、偶像にささげた物を食べる異邦人とは食事を一緒にしてはならないということが、民族の慣習でした。ケファはどうして、このように異邦人と食事をするように変えられましたか。
・使徒10:10〜17,25〜29前半/


3 ケファは、この使徒10章での出来事を通して、慣習から解放されていたはずです。それなのに、どうしてケファは、アンティオキア教会において異邦人との交わりから、急に身を引いたのですか。私たちや私たちの周りにも、似たようなことが起こりますか。それは、どんなことですか。分かち合ってみましょう。
・箴言29:25/(参考)
・ヨハネ12:42,19:38/(参考)

4 現代のクリスチャンも、世の人々の目を気にして、信仰によって行動しない場合があります。人目を気にして、クリスチャンであることを隠してしまう人もいます。「本心を偽った行動」とは、原文では「俳優が演技する」という意味で、「偽善」とも訳されます。その行動は、どんな影響を及ぼしましたか。私たちも、そのような影響を受けることがありますか。
・13節/


5 それまで、異邦人と親しく交わり、食事をしていたのに、エルサレムからユダヤ人が来たら、急に異邦人との交わりをやめ、異邦人から離れて行ったのです。異邦人は、どう思ったでしょう。これは、事件です。それを見たパウロは、どうしましたか。
・11節/
・14節/

6 ユダヤ人の律法や慣習を完全に守っているわけではないのに、それを異邦人の聖徒たちにも要求するのかとパウロは責めています。ケファは、そんなことは要求していませんが、どうして、パウロはそんなことを言ったのでしょう。異邦人がその光景を見てどう思う可能性がありますか。
・使徒15:1,5/
・使徒11:2〜3/

7 人は、どうしても人の目を気にし、人の評価を求めて行動しがちです。主の聖徒がそうなると、信仰が歪み、信仰生活が揺さぶられることになります。他のことは譲歩しても、福音だけは譲歩してはなりません。パウロは、ケファに抗議した理由を何と言っていますか。パウロが繰り返し強調していることは、何ですか。
・16節/
・ローマ3:24,エペソ2:8〜9/(参考)

8 前回学んだように、パウロとケファの間に信頼関係がありました。相手がケファだから、面と向かって抗議したのです。そして、ケファは、何の反論もせず、抗議を受け入れています。それを見た異邦人やユダヤ人は、それぞれどのように思うでしょうか。
・使徒10:28,35/
・使徒15:11,19/

9 パウロに叱責され、ケファが受け入れたことを見たユダヤ人たちも、改めてユダヤ人の律法や慣習を異邦人に強要すべきでないし、イエス様の十字架を信じることで救われる福音を確認させられたことでしょう。直接言われるより、この様子を見た方が、彼らにとって説得力があったでしょう。異邦人も安心して、福音を確信したでしょう。パウロの狙いもそこにありました。パウロは、いつもどんなことを勧めていますか。
・ヘブル5:2,Tコリント9:20,22/

「命の実を刈り取ろう」

 この事件の結果、よいことの方へ導かれました。パウロは、相手の弱さに配慮し、弱さを思いやることを勧めていました。パウロは、福音のためには、ユダヤ人にはユダヤ人のようになり、弱い人々には、弱い者になりました。Tコリント9:20,22。パウロは、この時弱い立場の異邦人のために、ケファを叱責したのです。分かっていないユダヤ人のために、ケファもその叱責を受け入れました。こうして、この事件の中には、福音による愛が流れていました。私たちも、他人に配慮し、霊的思いやりが必要となります。今日の学びで気付かされ、導きを受けたことを分かち合い、互いのために祈りましょう。Tコリント9:20,22。

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