小グループで聖書を学ぶ

41.羨むより、羨まれる(イザヤ23:1〜18)

「心の門を開いて」
 
 古代フェニキヤ人は、地中海貿易で栄えた民族です。彼らの中心の都市国家が、今日のレバノンにあったツロです。彼らは、海洋貿易によって、巨万の富を得ていました。しかし、そのツロが滅亡しました。ここから、私たちへのメッセージを学びます。

「御言葉の種を蒔こう」

1 ツロのフェニキヤ人は、地中海のあちこちに植民都市を築き、地中海貿易の暴利によって富と権勢を得ていました。植民都市であるタルシシュの船に、ツロについてのどんな情報が伝えられていますか。
・1~3節/


2 ツロの滅亡の知らせを聞いた植民都市やエジプトなど取引相手の国々は、どのような反応を見せていますか。
・5-6節/


3 アッシリヤは、軍事力で他国を侵略し、支配しましたが、ツロは、経済力で地中海世界を支配していました。この古代の海洋国家は、現代の貿易立国の姿とあまりにも似すぎています。世界中に進出し、あらゆる国と取引し、富の追及に奔走します。富のために、自然や社会、人間性さえも犠牲にしています。ツロの滅びは、現代の経済優先や富追及についての再考を問いかけます。どんなことが考えられますか。


4 ツロとエルサレムは、古くから関係がありました。エルサレムは、内陸にあって目立たず、貿易商業は盛んではありません。では、ツロは、どうでしょう。地中海世界において、どのように見られていましたか。どんな評価を得ていましたか。そのツロに対して、エルサレムは、どんな思いを持っていたと思われますか。
・7~9節。


5 ツロの商人が、植民地の王や長官職についていました。彼らの経済をバックにした統治は、人々に尊ばれていました。地中海世界を股にかけて活動し、富と権力と名声を手にしていたツロの商人たちを、エルサレムの民はうらやんでいましたが、あなたが羨んでいるのは、どんなことですか。


6 フェニキヤの植民地の「とりで」であるツロが滅ばされると、後ろ盾を失ったシドンとかタルシシュという植民地がどうなると言っていますか。それは、ツロをうらやむエルサレムの民に何を望み、警告していることになるのでしょうか。(参考/箴言3:31)
・10~14節/


7 エルサレムの人々は、ユダの山地から出たことはありません。ダビデ、ソロモンの栄華は過去のことです。神様は、エルサレムにツロの滅亡を見させて、うらやましがるなと警告されるのです。隣の芝生は青いのです。世のものをうらやましがることは、罪への誘惑や危険を伴います。ねたみも引き起こします。御言葉の宝が注がれ、神の恵みがあふれているエルサレムを、神様は何と言われていますか。神様の祝福を受け、御言葉の宝を持っている私たちには、どのような信仰の生き方が求められていますか。
・イザヤ43:4/
・Tテモテ6:6/

8 エルサレムとつながりのあったツロは、やがて回復されます。忘れられた元有名遊女のカムバック流行歌に譬えています。遊女の報酬と仕事も、貿易とその利益に譬えていますが、再起したツロは、得た利益をどうすると言っていますか。
・15-18節/


9 再起したツロは、貿易で得た利益を以前のように自分のためだけに「たくわえたり、積み立てたりしない」で、感謝して「主にもささげる」ようになりました。それは、ツロの再起が「主がツロを顧みられた」結果だからです。富と権勢でおごり高ぶっていたツロが、このように変わり、エルサレムの神信仰の情報も、彼らを通して伝えられて行ったでしょう。このツロの姿は、人々に対してどんな生き方を示唆していますか。(参考/コロサイ3:12~13,エペソ4:2)


「命の実を刈り取ろう」

 私たちは、イエス様の救いによって、罪の赦しと天国への命をいただきました。御言葉の糧と神様の祝福と導きを受けています。世が教会とクリスチャンをうらやむのです。私たちは、世の人々が羨むように生きているでしょうか。神様が世の人々を用いて私たちを助けてくださり、福音の広まりのために世の人々が用いられています。あなたは、人々に対して良い証しをたて、誠実な交わりを心がけていますか。今日の学びを通して与えられた警告、命令、模範、戒め、導き、約束などを分かち合いましょう。

戻る