小グループで聖書を学ぶ

53 誰の肖像、誰の銘ですか(マルコ12:13〜17)

「心の門を開いて」

 自分のアイデンティティーは何でしょうか。自分自身が何者かを考えながら生きているでしょうか。神の民とされながら、福音から離れていたユダヤの民を見るたびに、私たちは救われた者としてどう生きるのか真剣に考えさせられます。イエス様にかけられた質問の罠を通して学びます。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 ユダヤ人の指導者たちは、自分たちの権威や利権が危うくされるという危機感から、イエス様を殺そうとしました。イエス様を死刑にする口実を見つけようと何度も質問をして来ました。今回は、イエス様の所にどんな人たちを送り、どんな質問をさせていますか。
・13〜14節/


2 パリサイ人とは、最も律法に厳格な宗派で、イスラエルに与えられた律法を徹底的に守るために研究し努力していた人々です。一方ヘロデ党の者とは、政治的な派閥で、ヘロデ王家とローマ帝国の立場を擁護していた人々です。この人たちの前で、律法にかなっているかいないか、納めるべきか納めるべきでないのか、どちらかの返答をした場合、どんな反応が起こることが予想されますか。



3 カイザルに税金を納めるべきだと答えれば、パリサイ人が騒ぎ立て、税金に不満のある民衆を扇動するでしょう。カイザルに税金を納めるなと主張すれば、ヘロデ党が反政府主義者だと騒ぎ、捕らえさせるでしょう。人の言葉には、罠があります。論争や噂話に引き込もうとします。つい愚かなことを言ってしまったり、憤慨して争ってみたりすることがないでしょうか。どのように対処したら、よいですか。
・ローマ12:2〜3/


4 その時の緊張感を想像してみてください。答えによっては、訴えられ、投獄や刑罰があるのです。民衆や弟子たちが緊張してそのやりとりを見ていた時、イエス様は、デナリ銀貨をもって来させて、何と質問されましたか。何を確認させているのですか。
・15〜16節/


5 デナリ銀貨には、当時の皇帝、第2代皇帝ティベリウスの像と名前が刻んでありました。イエス様は、それを確認させて何と言われましたか。大変有名な言葉です。前半部分の意味について考えてみましょう。どういう意味だと思いますか。
・17節/


6 古代社会において、貨幣は権力者の象徴でした。新たな地を征服し統治する時、王様の像を刻んだコインを鋳造させました。ですから、コイン、貨幣とは、貨幣に刻まれた王がその地の支配者であることを示すものでした。「カイザルのものはカイザルに返しなさい」とは、私たちにとってどういう意味を与えるのでしょうか。
・ローマ13:1/
・ローマ13:4〜6/

7 イエス様は、「カイザルのものはカイザルに返しなさい」とだけ言われたのではなく、「そして神のものは神に返しなさい」と付け加えました。神のものとは、何でしょう。カイザルのものと神のものがあって、区別されているのですか。聖書は何と教えていますか。あなたは、そのような意識をもって生活していますか。
・詩篇24:1/
・イザヤ43:1/

8 ティベリウス皇帝のコインには、「カイザルティベリウス神聖アウグストの息子」という銘が刻まれていましたが、彼らの前に立っておられるイエス様が、神の御子であり、このお方に神の肖像が刻まれていました。あなたは、そのようなお方であるイエス様と人格的に出会っているでしょうか。
・コロサイ1:15/


9 人は創造された時、どのような存在として創造されたのか、確認しましょう。イエス様が十字架で死なれたことで、私たちの罪が赦され、滅びから救われて、創造の時の存在が回復されます。あなたには、誰の肖像と誰の銘が刻まれていることになりますか。
・創世記1:26/
・コロサイ3:10/

「命の実を刈り取ろう」

 イエス様を信じて救われた者には、神の肖像と銘が刻まれています。何と素晴らしいことでしょうか。本当に自分は「高価で尊い」(イザヤ43:4)存在なのだと感謝します。神のものは神に返しなさいと言われているのですから、聖徒たちは、自分を神様に返しているか、つまりささげているか点検してみなければなりません。学びを通して気付かされたこや悔い改めたことなどを分かち合い、互いのために祈りましょう。ガラテヤ6:17。

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