小グループで聖書を学ぶ
12 新しいぶどう酒は新しい皮袋に(マルコ2:18〜22)

「心の門を開いて」

 今日経済成長一辺倒の社会から持続可能な社会へのパラダイムシフトが起きていると言われます。パラダイムシフトとは、ある時代や分野において支配的であった物の見方や捉え方が根本的に劇的に変わることを言います。信仰も、聖書から何か一部を取り入れるのでなく、信じる者の考え方や生活に根本的な変化、パラダイムシフトが起こるものです。そのことをこの箇所から学びましょう。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 パリサイ人は、パラダイムシフトが起きない典型的な人々です。パリサイ人は、救い主イエス様が来られたにもかかわらず、自分たちの伝統的思想や固定観念に固執して、イエス様を受け入れませんでした。律法を守ることが信仰だと考えていたパリサイ人は、どんなことについて文句を言いましたか。
・18節/


2 断食というユダヤ人の宗教的習慣は、元々精神的な健康のために行っていたものが、自分の栄光のために見せるものになっていました。断食をしていないイエス様の弟子たちを批判したパリサイ人に対して、イエス様が答えられましたが、その意味は何ですか。(花婿とは、イエス様のことをたとえています。)
・19〜20節/


3 結婚式は、最も嬉しいお祝い事でした。その時には断食などしません。弟子たちは、イエス様が救い主として来られたのだから、喜び祝うべきであり、断食はしない。しかし、イエス様が十字架にかけられる時には、悲しんで断食をすると言われました。以前の考えや習慣に固執していては、新しい生活へ移行するのは難しいということです。信仰のパラダイムシフトを妨げている固定観念や古い習慣がありますか。



4 イエス様を信じても、その人自身は少しも変わらず、恵みだけを求め、聖書の都合の良いほんの一部だけを参考にし、以前の考えや習慣のまま生きるなら、パラダイムシフトは起こりません。それは、どうするようなことだと譬えていますか。譬えの意味を話し合ってみましょう。
・21節/

5 「真新しい布切れ」とは、イエス様や福音を象徴しており、「古い着物」とは、自分の考えや古い習慣のままでいることです。福音を昔のままの枠組みで受け入れようとすると、無理が生じます。肉の思い、古い人のままで、福音に生きるのは、困難が伴います。かえって、不都合が生じるでしょう。思い当たることはありませんか。
・ガラテヤ5:19〜21/
・Tヨハネ2:16/

6 イエス様を信じるということは、以前よりましな者となるという程度ではなく、滅び行く罪人が全面的に罪に死んで新しい人に生まれ変わるのです。古い人が十字架とともに死んで、新しい人としてイエス様と生きて行くのです。これが、福音の力、変化です。ですから、どうするように御言葉は勧めていますか。
・コロサイ3:7〜10/
・エペソ4:22〜24/

7 パラダイムシフトが起こると、その思想や研究は大きく発展して行きます。福音も同じです。神の御子イエス様の尊い犠牲で与えられた救いは、信じた人の人生に恵みと祝福を与え、その人を成長させます。働きや学びも進みます。それほど、福音は力と恵みがあります。しかし、福音を聞いた心にパラダイムシフトが起こらないと、どうなると譬えていますか。譬えの意味していることは、何ですか。
・22節/


8 新しいぶどう酒を古い皮袋に入れると、新しいぶどう酒が発酵して膨張し、伸縮性がなくなっている古い皮袋は張り裂けてしまいます。昔の肉の思いや罪の習慣のままでいた出エジプトの民の姿を参照しましょう。どんなことを感じますか。
・民数記13:32〜14:2/
・民数記14:33〜34/

9 新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるように、私たちは、イエス様を信じて、新しい存在とされたのですから、福音による新しい考えと価値観、新しい感じ方と習慣で生きるのです。アメリカのボーウェン牧師が始めた「不平撲滅運動」というものがあります。「ほとんどの人は、一日平均15〜30回不満を爆発させたり他人を非難する。結局、人間が苦しむすべての不幸の根には、不平不満がある」という事実を悟り、3週間の間、不平不満、愚痴、批判を言わない運動を始めました。「否定的な言葉が否定的な考えを呼び、否定的な結果をもたらす。幸福な生活をしたいなら、不平を口にするのを止めなければならない」と訴えています。互いに思うところを分かち合いましょう。


「命の実を刈り取ろう」

 救われたことへの感謝と喜びにあふれた生き方となりますように願います。イエス様を信じて新しい人になったと宣言しましょう。今の私は不足していて傷が多いが、新しい皮袋になって行くと確信しましょう。互いの適用を分かち合い、祈りましょう。Uコリント5:17。

戻る