小グループで聖書を学ぶ
31 聖霊に禁じられて(使徒16:1〜10)

「心の門を開いて」

 トロイというと、トロイヤ戦争やトロイの木馬、それを記したホメロスの叙事詩、考古学者シュリーマンによる発掘を思い浮かべるでしょう。しかし、トロイは、キリスト教にとっては、宣教史上画期的な出来事が起こった地です。そこに至る話は、学ぶ者に有益な適用を与えてくれます。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 話は、第2回伝道旅行でのことです。前回福音を伝えた町々を再訪しようということで、小アジヤに来たパウロたちは、リステラという町でテモテという弟子に出会いました。この人はどんな人ですか。パウロは、テモテをどうしたいと思い、何をさせましたか。
・1〜3節/
・Uテモテ1:5/

2 テモテは信仰の評判の良い人であり、ギリシャ人とユダヤ人両方の生活と文化に適応していました。それで、パウロは、宣教チームの一員としてテモテ連れて行きたいと思い、ユダヤ人との間に問題が生じないようにテモテに割礼を受けさせました。でも、それは、イエス様を信じるだけで救われる、割礼は必要ないと決定されたエルサレム会議の決定と矛盾するのではないですか。引用聖句では、何と教えていますか。
・Tコリント9:19〜23/


3 重要なことはイエス様を信じるだけで救われることです。割礼を受けるか受けないかは重要なことではありません。本質的でないことであるならば、配慮することができます。本質的でないどちらでもよいことでぶつかり、争うことがなかったでしょうか。逆に文化や習慣の違う人間関係において、信仰的に配慮できたことは何ですか。



4 パウロたちは、前回のガラテヤ地方の町々を東から巡って、エルサレム会議の報告をし、諸教会を励ましました。その後西のアジヤ州へ行くことを計画したようです。しかし、それはどうなりましたか。そのためにどうしましたか。地図で確認しましょう。
・4〜5節/
・6〜7節/

5 私たちも、次々に計画や願いが中断され、変更させられることがあります。願ったことがうまく行かない、やったけれども駄目だったと言い、挫折、失敗、失望という思いに心がおおわれます。計画変更について「駄目になってしまったから、失敗してしまったので、あの人に邪魔されて、病気のために」などと言うでしょうか。それとも、世の人々のように、「運が悪くて、ツキが無くて」と言うでしょうか。でも、パウロたちは、行き先変更の理由は何と言っていますか。それについて聖書は何と教えていますか。
・6〜7節/
・箴言16:2,9/

6 パウロたちの行き先変更の理由に考えてみましょう。実際に何か断念せざるをえない問題、変更を余儀なくさせられる事件が起こったのかもしれません。10節の「私たち」とは、医者のルカが参加したことです。誰かの病気が理由かもしれません。計画の変更が問題や事件、病気によることだとしても、彼らはそれも聖霊による計画変更と受け止めたのです。あなたも、問題や事件などを通して計画変更の導きを受けたことがありますか。



7 ミシヤを通って西北のトロアスという港町まで来ました。その先は、海です。今度はどこに行こうとは考えられませんでした。このトロアスがいわゆるトロイがあった地域です。アジヤとヨーロッパを結ぶ重要な都市です。海の向こう側は、ギリシャ、ヨーロッパです。まったく計画にない地です。とにかく、祈ったことでしょう。そして、パウロにどんなことが起きましたか。それは、何を意味していると思いますか。
・8〜9節/


8 その夜幻を見て、パウロは主の導きが分かりました。さっそく伝道旅行の一行に伝えると、一同はどうしましたか。それは、その幻を何と理解したからですか。
・10節/


9 トロアスから先どうすればいいのかと悩んでいた一行は、「神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ」と共に確信し、ただちにマケドニヤに渡ることにしました。考えもしなかったヨーロッパ宣教の幕が開かれ、ここトロアスが世界宣教の分岐点、いや、世界史の分岐点となりました。私たちも、何かを通して主の導きが分かった時、主の御旨に目が開かれた時、主の導きに感動します。どんな例がありますか。


「命の実を刈り取ろう」

 失敗や挫折、問題や事件を通しても、主は働かれます。禁止や妨げも導きの中にあります。その先も、私たちの思いを越えた主の導きがあります。「あれは、聖霊によって禁じられた、御霊がそれをお許しにならなかったという導きだったのだ」と、信仰で受け止めることができれば、心が安らぎ、希望が与えられ、主の取り扱いに目が開かれて行くでしょう。学びでの発見や適用を分かち合い、互いのために祈りましょう。ローマ8:28。

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