小グループで聖書を学ぶ

40 主はあなたを守る方(使徒18:12〜17)
「心の門を開いて」

 1905年ギリシヤのデルフォイ神殿遺跡の近くにある石切り場で、後にガリオ碑文と呼ばれる碑文が発見されました。この碑文に、今日の箇所に登場するガリオ総督が記されています。それによって、パウロのコリント在住がAD51〜52年と分かるようになりました。このガリオ総督が、パウロの宣教活動に重要な役割を果たすことになります。宣教とガリオ総督は、どんなつながりがあるのでしょうか。

「御言葉の種を蒔きながら」

1 ガリオは、ネロ皇帝の教師とブレーンを務めた有名な哲学者セネカの弟です。ガリオも学識と見識を兼ね備えた人でした。当時、魅力的な人格の持ち主、才気溢れる人物として知られていました。このガリオがアカイヤ州の総督としてコリントに赴任した時、どんな事件が起こりましたか、どうしてユダヤ人は、数ヶ月も経ってからそれをしたのですか。
・12〜13節/


2 パウロに対して怒りを持っていたユダヤ人は、新任総督なら、事情が分からず、こちらの意のままになる可能性が大きいと思い、パウロを訴えました。ローマ法に違反するように人々を扇動し、社会を混乱させていると訴えたようです。考えてみてください。大勢から訴えられて、裁判にかけられたら、どうですか。どんな思いになりますか。



3 「わたしがあなたとともにいる。あなたを襲って危害を加える者はいない」(10節)というパウロに対する主の約束はどうなったのでしょうか。私たちも、信仰で立ち上がり、順調に進んでいると思っていたのに、問題や困難が起こると萎えてしまい、不安や恐れを抱くかもしれません。しかし、大事なことは、主を信頼し続けることです。聖書は、私たちに対して主はどういうお方と教えていますか。
・詩篇121:5〜8/


4 主は、主に信頼する者を守る方であり、イエス様を信じる者をわざわいから守ってくださるお方です。その後の展開を見てみましょう。ユダヤ人の訴えに対して、ガリオ総督はどんな反応、判断をしましたか。
・14〜15節/


5 ユダヤ人の訴えを聞いたら、不正な行為や悪質な犯罪ではなく、ユダヤ人のことばや名称や律法に関する問題だと理解しました。そして、そのようなことは裁判する問題ではないと判断しました。つまり、訴えを却下したのです。パウロは、一言も弁明することなく、ユダヤ人の攻撃から守られました。学識と見識のある有名なガリオ総督の判断(判決)は、その後キリスト教にとって、どんな意味を持つようになるのでしょうか。



6 学識と見識のあるガリオ総督の判断ですから、これがいわゆる判例となります。これによって、キリスト教の宣教が帝国内で認められ、自由に活動できることになります。ガリオ総督は、パウロを助けたり、守ったりしたわけではないのですが、主によって用いられたと言うことができます。これは、私たちにとってはどういうことが言えますか。



7 誰かに出会い、助けられるという日々の出来事も、偶然ではなく、主が働いて守っていてくださると言えるでしょう。棄却を言い渡し裁判場からユダヤ人を追い出すと、事件が起こりました。なぜ、起こったのですか。(この「皆」とは、訴えたユダヤ人のことではなくて、法廷の外にいたギリシヤ人の群衆のことです。)
・16〜17節/


8 罪人のように見えないパウロを悪し様に言うユダヤ人の悪態を見ました。明快にその訴えの誤りを指摘して、告訴を退けたガリオ総督の決定も聞きました。ユダヤ人の傲慢な態度を見ているうちに市民たちは、憤慨し、ユダヤ人の指導者である会堂管理者ソステネを捕らえて、法廷の前で制裁を加えました。ガリオ総督も、そのままにさせておきました。この事件は、パウロにとってどんな守りとなりますか。



9。この制裁によって、ユダヤ人は、もう市民の前でパウロを妨害して騒ぐことはできなくなります。こうして、市民によっても守られることになります。なぜ、この会堂司の名前がソステネと分かっているのでしょうか。どんなことが考えられますか。
・Tコリント1:1/

「命の実を刈り取ろう」

 パウロの同労者として、ソステネの名があります。ソステネは、この事件の後悔い改めてイエス様を信じるようになったのでしょう。ガリオ総督は、自分の知性と良識をもって判断し、総督の仕事をしたまでですが、神様が彼を用いられたのです。私たちのためにも、主は背後で働かれます。私たちのために人々や出来事が用いられます。今日の学びを通して与えられた気付きや適用を分かち合い、互いのために祈りましょう。

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