2016年9月4日「志を立てさせ、事を行わせて」T列王記5:1〜18

序−私たちは、仕事や勉強、自分の立場や責任をどう考えているでしょうか。何かをしようとする時、どのように備え、どんな思いで取り組もうとしているでしょうか。信仰は、どう関わっているのでしょうか。この大事な観点について、ソロモン王の神殿建築準備から学びます。

T−御言葉に基づいて、ビジョンが与えられて−1〜2,5〜6
 ソロモンの神殿建築のきっかけは、神様は、イスラエルの北にあるツロの王ヒラムの使者が来たことによります。1節。ソロモンは、自分の思うままに神殿の工事を始めることはできません。なぜなら、建築に足るだけの木材がなかったからです。石材だけでは建てることができません。お金があっても、売ってくれなければ、買うことはできません。ツロの王ヒラムの使者が来たことは、その大きな問題を解決することになります。
 ソロモンからヒラムへの依頼から、それを知ることができます。2,6節。当時レバノン山脈は、鬱蒼としたレバノン杉で覆われていました。大きな木が育たない中東の国々は、こぞってその杉を手に入れようとしました。早くからこの地域を支配した古代フェニキヤ人は、木材の貿易で栄えました。因みに、今日レバノン杉は、レバノンの国旗や紙幣に描かれているものの、乱伐などの環境破壊のために山々が草原地帯と化し、わずか1200本ほど残っているに過ぎません。レバノン杉の地の王ヒラムが親交を求めて来たということは、レバノン杉が手に入る可能性を示しています。
 しかし、レバノン杉入手も、神殿建築の材料にすぎません。ソロモン王が、神殿建築の準備に着手したのは、神様がダビデ王に彼の息子ソロモンが神殿の建築をすると約束されたからです。5節,T歴代28:5。ソロモンは、神殿建築という重要な仕事をするに際して、御言葉に基づいて行ったということが大事なことなのです。「ソロモンがわたしの名のために宮を建てる」と神様が言われたので、自分は、神殿を建てようとしている、とこの神殿建築が主の御旨によることだと証ししています。
 何か事を行う時、私たちは、まずそのことを神様の御言葉に基づいて行うこと、神様の導きを求めることが大事だということです。ソロモンは、自分の思いつきで神殿建築をしたのではなくて、神様の御言葉に基づいてしたのです。モーセの時の天幕作りもそうでした。出エジプト記39〜40章の天幕作りの記録には、18回も「主がモーセに命じられたとおりに」と繰りかえされています。私たちも、すべての働きが主の御心に適うようにすることが必要であり、御言葉に基づいて行うことが大切です。
 主は、ペテロの信仰告白を聞いた後に、「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます」と言われました。マタイ16:18。イエス様を信じる信仰告白の上に、私たちの信仰生活や仕事、奉仕が築かれて行くのです。イエス様は、信じた私にこの家庭を主の家族として建てるためにこの家を私に委ねられたのだ、社会で主の栄光を表すためにこの仕事に私を着かせたのだというように、私たちは御言葉に基づいて事を行い、その働きに主から派遣されているという信仰が大切です。
 イエス様を信じて救われて、新しい人となった時から、私たちは、御言葉に基づいて仕事をし、学び、人生を歩む者となります。クリスチャンになってから、勉強が変わった、目的が与えられたということを聞きます。仕事や働きを選ぶにもビジョンが与えられます。私たちも、家庭や社会での働き、学校での学びにおいて、どんなビジョンが与えられているのか、はたして御言葉に基づいているのかを確かめましょう。

U−環境、条件が整えられて−3〜4,7〜12
 神殿建築を神様の御言葉に基づいて始めるというのですが、では、いつどのように始めることができるのでしょうか。材料が準備され、環境や条件が整うことが必要でした。3〜4節。まず、戦争がなくなって、「安息が与えられた」からと言っています。私たちも、心に平安や安息がなければ、何か新しいことをしようとするのは難しいでしょう。信仰による平安は、私たちが生活し、仕事をして行くためには、とても重要なことです。私たちは、イエス様から安息、休息を与えられます。マタイ11:28。神様は、礼拝を通して、御言葉と祈りを通して、平安を与えてくださいます。
 イスラエルの平和と安息は、先王ダビデの働きによるものです。ダビデがソロモンと国民に安息を準備してくれました。そして、ツロの王ヒラムとの友好関係を準備してくれました。ヒラムが使者を遣わしたのも、彼がダビデを尊敬していたからです。1節。私たちも、信仰の遺産と人々との友好関係という恵みを残すことができます。また、ダビデは、神様から与えられた神殿建築に関する計画書、仕様書をソロモンに授けています。T歴代8:11,19。神殿に収める財宝も用意しました。T歴代29:2。言わば、ダビデの準備があって、ソロモン王は、建築に着手できたのです。
 私たちが何かをしようとする時、働きを心に示された時、それが神様の導きにあるなら、そのための環境や条件が準備されます。神様の導きにあるなら、人の助けや障害の除去、必要な材料の備えがあります。神殿建築に、ツロの王ヒラムの協力は必須です。大量の木材はこの地域では限られていたからです。木材加工の専門家も必要です。石造りではあっても、屋根の梁などに大きな木材を必要としました。内装や調度品も木材が材料です。レバノン杉と大工の調達要請に対して、ヒラムは「お望みどおりにいたしましょう」と快諾してくれました。7〜8節。神様がヒラムに喜んで協力しようという思いを与えられたと言えるでしょう。
 レバノンの地は、農地にできる土地は狭くて、食料を外国からの輸入に頼っていました。ヒラムはソロモンの申し出を聞いて、非常に喜んだのは、ダビデとの友情もあったでしょうが、杉を提供することで食料を得ることができるからです。ソロモンも、ヒラムに食料を与えることを約束して、レバノンとの間には平和が保たれ、契約を結びました。10〜11節。
 こうして、平和と安息、友好的外交関係、豊かな材料という環境が整って始めて、神殿建築が開始されます。なぜ、神殿建築準備に関する章の始めに、ツロの王ヒラムからの使者のことが記されているのは、そのためです。神が適切な環境と条件を備えてくださることで神殿建築ができるようになった、ということを強調しています。
 私たちについても、神様が環境と条件を備えてくださることで事を行えるようになります。私たちは、まず、これが神様の御心なのだろうか、何が神様の導きだろうかと思い惑います。時には、勝手に導きだと言って進めてしまうときもあります。聖書は、何と教えていますか。箴言 16:1〜3,9。自分の計画が純粋だと思っても、神様に聞いて、委ねてみなければなりません。神様が判断してくださいます。これでいいのだろうか、どうすればよいのかと不安になっても、神様が確かにしてくださいます。
 それなら、その神様の導きは、どのように示されるでしょうか。ソロモンに示されたように、環境や条件が整えられることを通して示してくださいます。いくら自分では、やりたい、御心だと主張しても、環境や条件が整わなければ、そうでないか、あるいは、まだ時ではないのです。

V−誠実に、神の奥義の管理者として−13〜18
 御言葉やビジョンが与えられて、環境や条件が整えられたのなら、後は立ち上がって実行することです。13〜18節。ソロモンは、労働者を組織的に準備しました。レバノンに派遣する労働者についても、ずっとレバノンで働かせることをしないで、3交代させて、レバノンで働くのは一ヶ月、二ヶ月は家に帰らせるようにします。また、石材に関する労働者を、切り出す者、運ぶ者、監督する者と専門化させ、役割分担をきちんとさせています。大変効率的です。ソロモンの知恵が発揮されています。こうして、誠実に適切に進められました。
 神様は、私たちの仕事や生活のために導きをしめし、環境や条件を備えてくださいますが、それに応えて、私たちはその事を誠実に、最善を尽くして取り組まなければなりません。いくら御心が示され、導きだと知っても、誠実に成し遂げようとしなければ、事はなりません。聖書は、こう教えています。ピリピ2:13〜14。神様が私たちに「志を立てさせ、事を行わせてくださる」のだから、「つぶやかず、疑わずに行いなさい」と命じています。それは、私たちがしばしばつぶやき、疑い易いからです。
 私たちは、どうして途中で、この事は神様の導きだろうかとつぶやいたり、自分にできるのだろうかと疑ったりするのでしょうか。中々思うように行かなかったり、反対されたり、評価されなかったりするからです。そうなれば、倦み疲れ、辛くなるでしょう。しかし、事の始まりが御言葉や神様からのビジョンに基づいているのであれば、神様の時があり、仕事の評価は神様がされることになります。ピリピ2:16。それ以外を頼りにしたり、惑わされたりしてはなりません。神様の導きを確信することです。
 神様の導きの中にあるなら、私たちのすべきことは、神様の忠実な管理者として、誠実に働き、その事に忠実に取り組むということだけです。Tコリント 4:1〜2。私たちは、イエス様を信じて新しくされた時から、仕事や生活において、信仰をもって取り組んで行くことになります。Uコリント 5:17。御言葉とビジョンが示され、平安が与えられ、環境や条件が整えられたならば、忠実な管理者として取り組んで行きましょう。神様の豊かな導きと祝福を受けるようになります。ピリピ2:13〜14。



T列王記 5:1 さて、ツロの王ヒラムは、ソロモンが油をそそがれ、彼の父に代わって王となったことを聞いて、自分の家来たちをソロモンのところへ遣わした。ヒラムはダビデといつも友情を保っていたからである。
5:2 そこで、ソロモンはヒラムのもとに人をやって言わせた。
5:3 「あなたがご存じのように、私の父ダビデは、彼の回りからいつも戦いをいどまれていたため、【主】が彼らを私の足の裏の下に置かれるまで、彼の神、【主】の名のために宮を建てることができませんでした。
5:4 ところが、今、私の神、【主】は、周囲の者から守って、私に安息を与えてくださり、敵対する者もなく、わざわいを起こす者もありません。
5:5 今、私は、私の神、【主】の名のために宮を建てようと思っています。【主】が私の父ダビデに『わたしが、あなたの代わりに、あなたの王座に着かせるあなたの子、彼がわたしの名のために宮を建てる』と言われたとおりです。
5:6 どうか、私のために、レバノンから杉の木を切り出すように命じてください。私のしもべたちも、あなたのしもべたちといっしょに働きます。私はあなたのしもべたちに、あなたが言われるとおりの賃金を払います。ご存じのように、私たちの中にはシドン人のように木を切ることに熟練した者がいないのです。」
5:7 ヒラムはソロモンの申し出を聞いて、非常に喜んで言った。「きょう、【主】はほむべきかな。このおびただしい民を治める知恵ある子をダビデに授けられたとは。」
5:8 そして、ヒラムはソロモンのもとに人をやって言わせた。「あなたの申し送られたことを聞きました。私は、杉の木材ともみの木材なら、何なりとあなたのお望みどおりにいたしましょう。
5:9 私のしもべたちはそれをレバノンから海へ下らせます。私はそれをいかだに組んで、海路、あなたが指定される場所まで送り、そこで、それを解かせましょう。あなたはそれを受け取ってください。それから、あなたは、私の一族に食物を与え、私の願いをかなえてください。」
5:10 こうしてヒラムは、ソロモンに杉の木材ともみの木材とを彼の望むだけ与えた。
5:11 そこで、ソロモンはヒラムに、その一族の食糧として、小麦二万コルを与え、また、上質のオリーブ油二十コルを与えた。ソロモンはこれだけの物を毎年ヒラムに与えた。
5:12 【主】は約束どおり、ソロモンに知恵を賜ったので、ヒラムとソロモンとの間には平和が保たれ、ふたりは契約を結んだ。
5:13 ソロモン王は全イスラエルから役務者を徴用した。役務者は三万人であった。
5:14 ソロモンは彼らを一か月交替で、一万人ずつレバノンに送った。すなわち、一か月はレバノンに、二か月は家にいるようにした。役務長官はアドニラムであった。
5:15 ソロモンには荷役人夫が七万人、山で石を切り出す者が八万人あった。
5:16 そのほか、ソロモンには工事の監督をする者の長が三千三百人あって、工事に携わる者を指揮していた。
5:17 王は、切り石を神殿の礎に据えるために、大きな石、高価な石を切り出すように命じた。
5:18 ソロモンの建築師と、ヒラムの建築師と、ゲバル人たちは石を切り、宮を建てるために木材と石材とを準備した。




T歴代28:5 【主】は私に多くの子どもを授けてくださったが、私のすべての子どもの中から、私の子ソロモンを選び、イスラエルを治める【主】の王座に着けてくださった。
28:6 そして、私にこう仰せられた。『あなたの子ソロモンが、わたしの家とわたしの庭を建てる。わたしが彼をわたしの子として選び、わたしが彼の父となるからだ。

マタイ16:18 ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。

出 25:8 彼らがわたしのために聖所を造るなら、わたしは彼らの中に住む。
25:9 幕屋の型と幕屋のすべての用具の型とを、わたしがあなたに示すのと全く同じように作らなければならない。

T歴代28:11 ダビデはその子ソロモンに、玄関広間、その神殿、宝物室、屋上の間、内部屋、贖いの間などの仕様書を授けた。
28:19 「これらすべては、私に与えられた【主】の手による書き物にある。彼は、この仕様書のすべての仕事を賢く行う。」

T歴代29:2 私は全力を尽くして、私の神の宮のために用意をした。すなわち、金製品のための金、銀製品のための銀、青銅製品のための青銅、鉄製品のための鉄、木製品のための木、しまめのう、色とりどりのモルタルの石の象眼細工、あらゆる宝石、大理石をおびただしく用意した。

箴言16:1 人は心に計画を持つ。【主】はその舌に答えを下さる。
16:2 人は自分の行いがことごとく純粋だと思う。しかし【主】は人のたましいの値うちをはかられる。
16:3 あなたのしようとすることを【主】にゆだねよ。そうすれば、あなたの計画はゆるがない。
16:9 人は心に自分の道を思い巡らす。しかし、その人の歩みを確かなものにするのは【主】である。

ピリピ2:13 神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。
2:14 すべてのことを、つぶやかず、疑わずに行いなさい。
2:16 いのちのことばをしっかり握って、彼らの間で世の光として輝くためです。そうすれば、私は、自分の努力したことがむだではなく、苦労したこともむだでなかったことを、キリストの日に誇ることができます。

Tコリント 4:1 こういうわけで、私たちを、キリストのしもべ、また神の奥義の管理者だと考えなさい。
4:2 この場合、管理者には、忠実であることが要求されます。

Uコリント 5:17 だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。

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