2016年11月6日「年を経るにつれて」T列王記11:1〜43
序−ソロモン王の後宮の規模のために、ソロモン王の堕落や王国の分裂が取り沙汰されますが、王国分裂の原因は、それだけではありません。もっと私たち自身にも関わる身近な問題のために、ソロモン王の信仰衰退や王国の分裂へ進んでしまったようです。それは何でしょうか。
T−変質していく王の心−1〜13
ソロモン王は、その治世において他のどんな王も成し遂げることができなかった業績を残しました。繁栄した国家を築きました。しかし、神の民は、世でうまく生きることが本質ではありません。神様の恵みで幸いに生きることが目的です。イスラエルが世でうまく生きようとすれば、他の国と貿易をしたり、同盟関係を結んだりしなければなりません。1〜2節。そうすれば、その国と政略結婚をしたり、人質を取ることになります。
このようにして、イスラエルに外国の偶像が入って来ました。巨大な建造物や堅固な城塞を築き、兵や武器を多く蓄える中で、しだいに王や民は、神様の御言葉を聞くことや祈りが減るようになりました。私たちが何かを成し遂げ、業績をあげることで心が慢心した時、御言葉から離れる危険があります。仕事や行事、趣味や活動への没頭でも、私たちをイエス様から引き離す危険があるでしょう。でも、そうしたことも、信仰によって励んで行くなら大丈夫です。恵みや導きを受けるでしょう。
何よりも神の民の王がしなければならないことは、神の民を御言葉で満たし、御言葉に聞き従うようにすることでした。そうすれば、神様が国を豊かにしてくださり、守ってくださるようになります。私たちも、そうしなければなりません。ソロモン王は、とりわけ神殿を建てた後、大々的に御言葉を聞かせ、学ばせ、祈りを盛んにするようにしなければなりませんでした。そうすれば、少なくともソロモン王自身の心が神様から離れたり、罪に陥る可能性が少なくなったでしょう。
私たちが会堂建設をしていた時、エズラ記やネヘミヤ記を学びました。そこには、神殿建設や城壁再建の時こそ、信仰の再建、復興でなければならないということが強調されていました。神殿再建や会堂建設が、建設できたことで事は終わったとし、かえって御言葉から離れ、信仰が後退しがちだからです。まさに、ソロモン王も、そうなったようです。そして、多くの外国から女性を迎え入れることになりました。1節。まず、強国エジプト王の娘を迎えました。イスラエルの王ならば、容貌は特別でなくても信仰のしっかりした女性を迎えなければならなかったのに、偶像が盛んだったエジプトの魅力的な女性を迎えたのです。その後次々と周りの国々から、政略結婚や人質として多くの女性を後宮に迎えました。
それは、外交関係のため、貿易のためと頭では考えたのでしょうが、女性たちを迎えると、しだいにイスラエルの女性たちと違った魅力にとらわれるようになったようです。人にとって、自分の体を制御し、感情を支配することはとても難しいことです。これは、自分の意志の力では無理なのです。御言葉を受け入れて、御霊の力で自分の肉をとらえて、治めてもらわなければならないのです。
こうして、女性たちに心をうばわれたソロモン王の心は変質してしまいました。3〜4節。その数は千人とありますが、江戸時代の大奥千人と言われていますから、下働きも含めての人数でしょう。雅歌によれば、王妃は六十人、そばめは八十人とあるのが実態のようです。雅歌6:8。そんなことよりも、私たちが目を留めなければならない重要なことは、女性たちが「彼の心を転じた、彼の心をほかの神々のほうへ向けた」というところです。女性たちの影響を受けて、ソロモンの心が変質してしまったのです。
ひとりソロモン王の問題ではありません。やがて神の民のほとんどがその影響を受けて、偶像を拝むようになって行きます。私たちも、世の罪の価値観の影響を受けて、肉の思いでよく生きることに流れ、有形無形の偶像に心を向け、心をとらわれる危険の中にあります。
U−罪の陥り、神様の恵みを喪失してしまう−14〜40
心が変質して来ると、後は実際の行動をも左右するようになります。3〜8節。罪と言うものは、はじめの初期の段階に取り除いておかなければ、それをよしとしてそのままにして置くと、しだいに影響は広まります。やがて、罪に翻弄され、罪の言動へ及んでしまいます。
ここでも、目を留めなければならない言葉は、「父ダビデの心とは違って、主と一つにはなっていなかった、父ダビデのようには主に従い通さなかった」ということです。もちろん、ダビデは完全な人ではありませんでしたが、彼自身自分の足りなさを知っているので、罪に陥らないように必死になって御言葉をつかんで、神様を信じて頼り、心を向けました。しかし、ソロモンは、自分自身を信じました。自分は罪に陥らないと頭では考えていましたが、しだいに罪に陥って、引き込まれて行ったのです。
どうしたらいいのでしょうか。イエス様は私たちの罪のために十字架にかかってくださいました。人はその罪を自分ではどうしようもないので、神様があわれんでくださり、御子を私たちの代わりに死に渡されました。ローマ4:25。罪を悔い改めて、イエス様を信じることです。そうすれば、私たちを愛してくださった神様は、罪を赦してくださり、天国へ続く新しい命を与えてくださいます。ソロモン王はどうしたでしょうか。そのままにしておいたために、結局裁きを招くことになります。9〜11節。でも、神様から責められる時が、好機です。その時主に立ち返って、悔い改めるならば、ソロモンもイスラエルも生きることができます。
ですから、ソロモンのできることは、徹底して神様の御前に出て、祈り叫び、御言葉に聞き従い始めることです。そして、作ってしまった偶像や高きところを取り除くことです。私たちの場合は、そのような時どうするのでしょう。ソロモンは、決断をくだすことなく、そのままにしてしまいました。ソロモン王が罪をやめることができなかった結果、イスラエルは分裂してしまうことになります。11節。御言葉通り歩むならば、神の国は最高の国です。ところが、偶像を拝む女性たちに心奪われて、神様から心が離れ、偶像を拝み、王国の分裂を招くことになります。結局罪に勝つことができない結果、ソロモンの栄華を失うようになるのです。
V−次第に変わってしまうソロモン、自信という偶像−9〜11,43
神様は、ソロモンが生きている間は、分裂を待ってくださいました。34節。ソロモンが悔い改めて立ち返って来ることを願われたからです。神様の愛とあわれみです。もしソロモンがダビデのように、涙を流しながら神様の御前に立ち返って祈るなら、赦してくださるのです。
4節を見ると「ソロモンが年をとったとき」とありますが、年を取ったから急に偶像に向いたということではありません。次第に年を経るにつれて、ソロモン王の心が変質して行ったのです。初めは、民を治めるために知恵をくださいと願う純粋な信仰でした。しかし、巨大な建物を建造し、多くの城塞を建設し、貿易を盛んにして繁栄し、兵も武器も多く蓄えるようになると、王の心はしだいに神様から離れて行ったのです。
ソロモン王は、自分の知恵を持って様々な事業をして行く間に、しだいに自分の力に自信を持つようになりました。彼の心は、自分の力と知恵を信じるようになったのです。自信という偶像が、しだいにソロモンの心に築かれて来たのです。聖書は、私たちの中にいつも罪が生じることを警告しています。ですから、誰であろうと自信を持ちすぎて、自分を信じるようになってはいけません。このことを最もよく悟った人はダビデです。失敗を通して自分を信じてはだめだということをよく知っていたために、自分を信じないように、御言葉をにぎり、神様に祈りました。
ソロモンのように知恵があって、仕事もできる人は、よけいに罪の誘惑に陥らないようにしなければなりません。どうしても、自分の働きに自信を持ち、肉の自分を信じるようになるからです。自信を持つなら、「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです」というように、信仰による自信を持ちたいものです。ピリピ4:13。
しかし、ソロモン王は、しだいに肉の自信が大きくなって行きました。はじめは、偉大な仕事を成し遂げても、高慢になって神様から離れたりしない、自分は異邦の女性に陥って、偶像の罪に陥ったりしないと頭では考えていたのでしょう。しかし、自信が大きかったので、ならないと考えていた状態になってしまいました。自分が足りない者だ、欠けや不足がある者だと考える人は、自信過剰にはなりません。信仰生活においては、少し愚直なくらいが良いかもしれません。少し変だと思うことを遠ざけて、自分を守るようになります。しかし、肉の自分に自信を持つ人は、罪の罠にかかる可能性が大きいのです。今の自分はどうでしょうか。
ソロモンの心は、しだいに変質しました。もう、ダビデ王のようにはできないので、民を治める知恵をくださいと神様に求めた純粋さはなくなってしまいました。T列王3:7〜9。私たちは、イエス様を信じた時の純粋な信仰を持ち続けたいのです。御言葉に聞き従って生きよう、主の栄光をあらわそうというはじめの愛を忘れていないでしょうか。黙示録2:4〜5。救われた私たちは、イエス様に似た者に変えられて行く過程にあります。ただひたむきに栄光を目指して歩んでいるだけです。ピリピ3:12〜14。私たちも、ダビデのように、召される時まで主に従い通いたいのです。
T列王記11:1 ソロモン王は、パロの娘のほかに多くの外国の女、すなわちモアブ人の女、アモン人の女、エドム人の女、シドン人の女、ヘテ人の女を愛した。
11:2 この女たちは、【主】がかつてイスラエル人に、「あなたがたは彼らの中に入って行ってはならない。彼らをもあなたがたの中に入れてはならない。さもないと、彼らは必ずあなたがたの心を転じて彼らの神々に従わせる」と言われたその国々の者であった。それなのに、ソロモンは彼女たちを愛して、離れなかった。
11:3 彼には七百人の王妃としての妻と、三百人のそばめがあった。その妻たちが彼の心を転じた。
11:4 ソロモンが年をとったとき、その妻たちが彼の心をほかの神々のほうへ向けたので、彼の心は、父ダビデの心とは違って、彼の神、【主】と全く一つにはなっていなかった。
11:5 ソロモンはシドン人の神アシュタロテと、アモン人のあの忌むべきミルコムに従った。
11:6 こうしてソロモンは、【主】の目の前に悪を行い、父ダビデのようには、【主】に従い通さなかった。
11:7 当時、ソロモンは、モアブの、忌むべきケモシュと、アモン人の、忌むべきモレクのために、エルサレムの東にある山の上に高き所を築いた。
11:8 彼は外国人の自分のすべての妻のためにも、同じようなことをしたので、彼女たちは自分たちの神々に香をたき、いけにえをささげた。
11:9 【主】はソロモンに怒りを発せられた。それは彼の心がイスラエルの神、【主】から移り変わったからである。主は二度も彼に現れ、
11:10 このことについて、ほかの神々に従って行ってはならないと命じておられたのに、彼は【主】の命令を守らなかったからである。
11:11 それゆえ、【主】はソロモンに仰せられた。「あなたがこのようにふるまい、わたしが命じたわたしの契約とおきてとを守らなかったので、わたしは王国をあなたから必ず引き裂いて、あなたの家来に与える。
11:12 しかし、あなたの父ダビデに免じて、あなたの存命中は、そうしないが、あなたの子の手からそれを引き裂こう。
11:13 ただし、王国全部を引き裂くのではなく、わたしのしもべダビデと、わたしが選んだエルサレムのために、一つの部族だけをあなたの子に与えよう。」
11:14 こうして、【主】は、ソロモンに敵対する者としてエドム人のハダデを起こされた。彼はエドムの王の子孫であった。
11:15 ダビデがかつてエドムにいたころ、将軍ヨアブが戦死者を葬りに上って来て、エドムの男子をみな打ち殺したことがあった。
11:16 ──ヨアブは全イスラエルとともに六か月の間、そこにとどまり、エドムの男子をみな断ち滅ぼした──
11:17 しかしそのとき、ハダデは、彼の父のしもべの数人のエドム人と逃げ去ってエジプトへ行った。当時、ハダデは少年であった。
11:18 彼らはミデヤンを出立し、パランに行き、パランから幾人かの従者を従えてエジプトへ行き、エジプトの王パロのところに行った。するとパロは彼に家を与え、食料をあてがい、さらに、土地をも与えた。
11:19 ハダデはパロにことのほか愛された。パロは自分の妻の妹、すなわち王妃タフペネスの妹を彼に妻として与えた。
11:20 タフペネスの妹は彼に男の子ゲヌバテを産んだ。タフペネスはその子をパロの宮殿で育てた。ゲヌバテはパロの宮殿でパロの子どもたちといっしょにいた。
11:21 さてハダデは、ダビデが彼の先祖たちとともに眠ったこと、また、将軍ヨアブも死んだことを、エジプトで聞いた。ハダデがパロに、「私を国へ帰らせてください」と言うと、
11:22 パロは彼に言った。「あなたは、私に何か不満があるのか。自分の国へ帰ることを求めるとは。」すると、答えた。「違います。ただ、とにかく、私を帰らせてください。」
11:23 神はまた、ソロモンに敵対する者として、エリヤダの子レゾンを起こされた。彼は、自分の主人、ツォバの王ハダデエゼルのもとから逃亡した者であった。
11:24 ダビデがハダデエゼルの兵士たちを殺害して後、彼は、人々を自分のところに集め、略奪隊の隊長となった。彼らはダマスコに行って、そこに住みつき、ダマスコを支配した。
11:25 彼は、ソロモンの生きている間、ハダデの悪を行って、イスラエルに敵対し、イスラエルを憎んだ。こうして彼は、アラムを支配していた。
11:26 ツェレダの出のエフライム人ネバテの子ヤロブアムはソロモンの家来であった。彼の母の名はツェルアといい、やもめであった。ところが彼も王に反逆した。
11:27 彼が王に反逆するようになった事情はこうである。ソロモンはミロを建て、彼の父ダビデの町の破れ口をふさいでいた。
11:28 ヤロブアムは手腕家であった。ソロモンはこの若者の働きぶりを見て、ヨセフの家のすべての役務を管理させた。
11:29 そのころ、ヤロブアムがエルサレムから出て来ると、シロ人で預言者であるアヒヤが道で彼に会った。アヒヤは新しい外套を着ていた。そして彼らふたりだけが野原にいた。
11:30 アヒヤは着ていた新しい外套をつかみ、それを十二切れに引き裂き、
11:31 ヤロブアムに言った。「十切れを取りなさい。イスラエルの神、【主】は、こう仰せられます。『見よ。わたしはソロモンの手から王国を引き裂き、十部族をあなたに与える。
11:32 しかし、彼には一つの部族だけが残る。それは、わたしのしもべダビデと、わたしがイスラエルの全部族の中から選んだ町、エルサレムに免じてのことである。
11:33 というのは、彼がわたしを捨て、シドン人の神アシュタロテや、モアブの神ケモシュや、アモン人の神ミルコムを拝み、彼の父ダビデのようには、彼は、わたしの見る目にかなうことを行わず、わたしのおきてと定めを守らず、わたしの道を歩まなかったからである。
11:34 しかし、わたしは、彼の手から、王国全部は取り上げない。わたしが選び、わたしの命令とおきてとを守ったわたしのしもべダビデに免じて、ソロモンが生きている間は、彼を君主としておこう。
11:35 しかし、わたしは彼の子の手から王位を取り上げ、十部族をあなたに与える。
11:36 彼の子には一つの部族を与える。それはわたしの名を置くために選んだ町、エルサレムで、わたしのしもべダビデがわたしの前にいつも一つのともしびを保つためである。
11:37 わたしがあなたを召したなら、あなたは自分の望むとおりに王となり、イスラエルを治める王とならなければならない。
11:38 もし、わたしが命じるすべてのことにあなたが聞き従い、わたしの道に歩み、わたしのしもべダビデが行ったように、わたしのおきてと命令とを守って、わたしの見る目にかなうことを行うなら、わたしはあなたとともにおり、わたしがダビデのために建てたように、長く続く家をあなたのために建て、イスラエルをあなたに与えよう。
11:39 このために、わたしはダビデの子孫を苦しめる。しかし、それを永久に続けはしない。』」
11:40 ソロモンはヤロブアムを殺そうとしたが、ヤロブアムは立ち去り、エジプトにのがれ、エジプトの王シシャクのもとに行き、ソロモンが死ぬまでエジプトにいた。
11:41 ソロモンのその他の業績、彼の行ったすべての事、および彼の知恵、それはソロモンの業績の書にしるされているではないか。
11:42 ソロモンがエルサレムで全イスラエルの王であった期間は四十年であった。
11:43 ソロモンは彼の先祖たちとともに眠り、彼の父ダビデの町に葬られた。彼の子レハブアムが代わって王となった。
ローマ4:25 主イエスは、私たちの罪のために死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられたからです。
ピリピ4:13 私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。
T列王3:7 わが神、【主】よ。今、あなたは私の父ダビデに代わって、このしもべを王とされました。しかし、私は小さい子どもで、出入りするすべを知りません。
3:8 そのうえ、しもべは、あなたの選んだあなたの民の中におります。しかも、彼らはあまりにも多くて、数えることも調べることもできないほど、おびただしい民です。
3:9 善悪を判断してあなたの民をさばくために聞き分ける心をしもべに与えてください。さもなければ、だれに、このおびただしいあなたの民をさばくことができるでしょうか。」
黙示録2:4 しかし、あなたには非難すべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。
2:5 それで、あなたは、どこから落ちたかを思い出し、悔い改めて、初めの行いをしなさい。もしそうでなく、悔い改めることをしないならば、わたしは、あなたのところに行って、あなたの燭台をその置かれた所から取りはずしてしまおう。
ピリピ3:12 私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕らえようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕らえてくださったのです。
3:13 兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕らえたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、
3:14 キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。
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