2025年10月19日「すべて主が命じられたとおりに」創世記6:13〜22

序−ノアの洪水とかノアの箱舟という創世記の洪水物語は、ノアが用いられるのですが、ここには、神が神を用いられ、導かれる時に必要なことが示されています。それを学んで、私たちがどのように神に用いられ、導かれるのを願います。

T−裁きの宣言と救いの方法−13〜17
 神は、ノアを用いられる時、まずご計画、御心を教えられました。ノアの時代、地が暴虐で満ち、裁きを決断され、それをノアに知らせました。13節。裁きのことを教えただけでなく、その方法、つまり洪水によって裁くこと示されました。17節。私たちを用いられ、導かれる時も、私たちにご計画と御心を示して、教えてくださいます。何によって、何を通してでしょう。特に、御言葉です。祈りや黙想を通しての時もあれば、起こった出来事や人々の関わりを通しての場合もあるでしょう。
 私たちが神を信頼する時、聖書を通して、神はご計画と御心を教えてくださいます。私たちが人生を信仰で生きるために必要なことを聖書は記録しています。要は、私たちが知ろうとすることです。私たちが黙想するならば、聖霊が理解させて、適用へと導いてくださいます。
 神の示された裁きは、大変厳しいものです。しかし、神はノアに裁きをされるご計画と御心を示してくださっただけでなく、ノアたちを救う方法を教えてくださいました。裁きの中にもあわれみをくださいました。洪水で裁くと告げられながら、救いの道も用意しておられました。それが、箱舟です。14〜16節。箱舟の造り方を教えてくださいました。1キュビット45cmで換算すると、長さ135m、幅22m、高さ13m位、相当な大きさで、内部は3層になります。隙間に塗るタールとは、原油からできる天然のアスファルトのことです。ノアに造らせるためだからです。
 神は、わざわざ「あなたは自分のために」と言われました。14節。箱舟は神のためではなく、ノアが洪水で生き残るために造るように命じられたのです。19節。私たちも、神に任されたことを忠実に行わなければなりません。私たちにもそれぞれの箱舟があり、神はそのために私たちを用いられます。神が私たちにご計画と御心を示して、私たちを用いられ、導かれるならば、私たちの人生の中に作るべきそれぞれの箱舟の造り方を教えてくださいます。神が教えてくださるように、命じられるようにしなければなりません。人生を導き、私たちを用いるためです。
 不思議なことに、この箱舟について、舵や帆については言及されていません。必要ないということなのでしょう。船は神の導くままだからです。私たちの人生も神が導かれる箱舟であるなら、たとえ必要だと考える舵や帆のようなものがなくても、神が導かれるということです。
 また、箱舟の中に入るものについても命じられました。18〜21節。ノアの家族8人とすべての生き物を種類ごとに雄と雌を連れて入るようにということです。多くの生き物を集め、箱舟に入れることはどれほど大変なことか。その目的は、「生き残るようにする」ためです。この神の救いのご計画にノアは用いられたのです。神は、人を用いられる時、その目的を教えてくださり、なすべきことを示してくださることが分かります。
 私たちは、ノアの箱舟を読む時、ノアがずっと箱舟作りばかりしているように思いがちですが、120年箱舟作りだけをしていたわけではありません。ノアは、箱舟を作るにしても、それまでして来た日常生活も忠実にしながら、箱舟を作ったはずです。私たちの人生もそうあらなければと思わされます。

U−嘲(あざけ)りと孤立の中で−
 ここには、ノアの家族が箱舟を造っている様子は記されていませんが、その様子を思い浮かべることができます。箱舟には大量の木を必要としたのですから、ノアが箱舟を造った所は山に近いところだったのでしょう。つまり、そんな所で、洪水の兆候もまったく見られない時、箱舟を造ったということです。当然人々からあざけりと嘲笑を受けたでしょう。その時代は、人の悪が増大し、その心に図ることがみな、いつも悪に傾くというものだったからです。どれほどの罵(ののし)りや中傷があったことでしょうか。
 考えることがみないつも悪に傾くという人々に、ノアが洪水のために箱舟を造っていると話しても、まったく理解されず、ばかにされたことでしょうか。22節の「すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った」という表現の中には、酷い困難と迫害の中で命令どおりしたということが感じられます。「なぜこんな所に船を作るのか。こんな不恰好な船を作って。なんて愚かなやつだ」そんな声が聞こえて来ます。
 心に図ることがみな悪いことに傾く人々に、神の裁きのことを証ししても聞く耳は持たないでしょう。怒って、憤慨して、罵声を浴びせたはずです。人々の中で、人々と違うことをしていれば、違う生き方をしているだけで、疎まれ、嫌われ、攻撃されるものです。Tペテロ4:4。ノアは、苦しく、辛かったでしょう。それでも、ノアは、長い期間箱舟造りを続けました。なぜでしょう。神からお願いされ、任されたことだからです。ここに、信仰の人が困難な中でもしっかり前へ向かって行ける理由があります。
 困難に遭遇したら、聖徒たちはどうなるでしょうか。何もかも手に付かず、落ち込んでしまう人もいるでしょう。あるいは、世的な人間的な方法で解決しようと走り回る人もいるでしょう。しかし、そうではなくて、さらに御言葉を握りながら、祈りをささげ、主により頼む人もいます。まさに、ノアはそういう信仰の人、義人だったのです。8〜9節。
 ノアのような目に会うなら、私たちはどうしたらよいのでしょうか。ノアの時代のような現代に生きる私たちに、聖書は何と言っていますか。Tペテロ3:14〜16。義のために苦しみ、脅されても、動揺したりしないで、むしろキリストを主とあがめて、いつでも弁明できる用意をしておくというのです。ノアもそのような人々の中にあって、義を宣べ伝えました。Uペテロ2:5。「一緒に箱舟に入ろう」と言ったことでしょう。私たちも、「一緒に天国へ入ろう」と言いたいのです。御言葉通り生き、義を追求して生きることに価値を置くのです。

V−契約と従順−
 ノアの箱舟作りで、その信仰の際立った特徴は、22節の「すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った」ということです。この言葉は、信仰によって生きることが何であるかを明確に示しています。信仰に生きるということは何ですか。自分の直感や経験よりも、神の御言葉を優位に置くということです。ノアは、洪水というまだ見ていないことを聞いて信じて、箱舟を作りました。ヘブル11:7。自分の基準より、御言葉の基準に従ったのです。ノアの信仰の核心は、すべて神に命じられたとおりする従順でした。
 洪水の兆しもまったくない中で、山に近いような所で、人々の嘲りと罵りを受けながら箱舟を造るというのは、信仰がなければできないことでした。長期間にわたり大きな箱舟を作る労苦、動物を集める大変さ、加えて人々の嘲笑と悪口の中最後まで、神に言われたとおりに行いました。救われる信仰は何でしょう。最後まで「神が命じられたとおりにする」ことです。イエス様を信じる、神の存在を信じる、それだけだったら、悪魔もそう信じています。ヤコブ2:19。信仰は知的な同意に留まりません。信じたように生きて行くことです。私たちは、信じて救われたに留まらず、御言葉によって生きたいと願います。
 不確実な世の中で神が自分を守り、導いてくださるか心配があるでしょう。多くの人が疑いの中にいます。どのように信仰の疑いを克服し、揺れない堅固な信仰を持つことができるのでしょうか。神の契約を握ることです。18節。はじめて、契約ということばが出て来ます。契約って何でしょうか。契約と訳されたベリースという原語には、切る、割くという意味があります。昔契約をする時、割かれた動物の間を通ることで結ばれました。契約に違反すれば、獣に起こったことが自分に起こってもいいという意味です。約束を守られる神の強いご意志があらわされた言葉です。
 なぜ私たちも神の契約を握らなければならないのでしょうか。ルカ22:20。それは、契約は神が一方的に結ばれたものだからです。人同士の契約は、双方守るべき条件があります。神の契約は、神のみがその契約を守ることができるものです。人同士の契約は、双方が責任を負いますが、神の契約において人は責任は要求されません。神が一方的に契約を宣言されたのは、どんなことがあっても、神が契約を守られるという宣言です。
 そして、この契約は、神が救う手段を決め、神が定められた手段を信じて、その手段を行った者が救われました。神はイエス・キリストを人が救われる唯一の手段として定められました。使徒4:12。神の契約は、保証がついています。18〜19節。箱舟に入るならば、生き残ると保証してくださいました。労苦と痛みの中で箱舟を造ったノアにどれほど慰めと励ましになったことでしょうか。イエス様の救いにも保証がありました。ローマ8:35,37。神の契約は、一方的な恵みの契約です。21〜22節。ノアは御言葉を信じて、箱舟に入れば救われるのです。その恵みに応えて、ノアはすべて神が命じられたとおりにしました。22節。イエス様の救いの恵みを受けた私たちも、御言葉通りに行って信仰の人生を生きたいです。22節。



創世記6:13 神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ようとしている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。見よ、わたしは彼らを地とともに滅ぼし去る。
6:14 あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とをタールを塗りなさい。
6:15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。幅は五十キュビト。高さは三十キュビト。
6:16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内に天幕を仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階に分けなさい。
6:17 わたしは、今、いのちの息あるすべての肉なるものを天の下から滅ぼし去るために、地上の大水を、大洪水をもたらそうとしている。地上のすべてのものは死に絶える。
6:18 しかし、わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは、あなたの息子たち、妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい。
6:19 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたとともに生き残るようにしなさい。それらは雄と雌でなければならない。
6:20 取りは種類ごとに、動物も種類ごとに、地面を這うすべてのもの種類ごとに、それぞれ二匹ずつ生き残れるよう、あなたのところに来なければならない。
6:21 あなたは、食べられるあらゆるものから取って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物のための食物としなさい。」
6:22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。


Tペテロ3:14 たとい義のために苦しむことがあっても、あなたがたは幸いです。人々の脅かしを恐れたり、おびえたりしてはいけません。
3:15 むしろ、心の中でキリストを主とし、聖なる方としなさい。あなたがたのうちにある希望に付いて説明を求める人には、だれにでも、いつでも弁明できる用意をしていなさい。
3:16 ただし、柔和な心で、恐れつつ、また、健全な良心をもって弁明しなさい。そうすれば、キリストにあるあなたがたの善良な生き方をののしっている人たちが、あなたがたを悪く言ったことを恥じるでしょう。

Uペテロ2:5 また、かつての世界を放置せず、不敬虔な者たちの世界に洪水をもたらし、義を宣べ伝えたノアたち八人の者を保護されました。

ヘブル11:7 信仰によって、ノアは、まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたときに、恐れかしこんで、家族の救いのために箱舟を造り、その信仰によって世を罪ありとし、信仰による義を受け継ぐ者となりました。

使徒4:12 この方以外には、だれによっても救いはありません。天の下でこの御名のほかに、私たちが救われるべき名は人間に与えられていないからです。」

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