2025年11月9日「幼い頃から聖書に親しんで」Uテモテ3:14〜17

序−この箇所は、ローマの牢獄にいる使徒パウロに殉教が差し迫っているという中で、自分の子どものような愛する後継者テモテに、切実な思いで書いている遺言と言える手紙の一文です。私たちも、子や孫について遺言をするならば、どのような言葉を残すのでしょうか。

T−幼い頃から−14〜15
 死を前にして、自分の子どものようなテモテに残したい最も大切なことを伝えていることになります。テモテは、ギリシャ人の父とユダヤ人の母の間に生まれた人で、パウロの後継者としてエペソ教会の若い牧師となりました。聖書の中にある手紙の6通には、パウロと一緒に差出人と記されている人です。どうしてこのような人になったのか、聖書がテモテの人生に及ぼす影響を説明しています。
 まず、強調されていることは、「幼いころから聖書に親しんできた」ということです。15節前半。「幼いころ」と言われていますが、原語では「胎児、乳児」という意味です。そんな時から聖書を聞いていたということです。Uテモテ1:5には、テモテの「その信仰は、最初あなたの祖母ロイスと母ユニケのうちに宿ったもの」だと紹介されています。胎児の時から御言葉や祈りを聞き、乳飲み子の時には、お母さんやおばあちゃんに抱かれながら、御言葉を聞かされたことでしょう。
 人生の土台がどんなことに基礎が置かれているかによって、その子の人生が変わります。幼い頃に何を聞くことがどれほど重要でしょうか。幼い頃から、お腹にいる時から教会に来ていることがどれほど大切なことでしょうか。御言葉を聞くだけでなく、賛美や祈りや分かち合いを聞いているのです。信仰の人々の姿を見ているのです。本当に恵みです。
 世の中では、よく勉強ができて、出世して、お金を稼ぐ人になるように願って、子どもを育てようとするようですが、学校でも、家庭でも、大事な人格教育をなおざりにしているのです。勉強ができて、出世して、お金を稼ぐ人が、どんな社会にしているのでしょうか。
 私たちも、子どもや孫が小さい時から、御言葉を聞かせなければなりません。なぜ、そうするのですか。「キリスト・イエスに対する信仰による救いを受けさせることができる」からです。小さい頃から聞いていることは、心に残り、成長に影響を与えることになるからです。人は生まれながらに罪の性質を持っています。詩篇51:5。そのために、社会で高い地位に就きながら、罪による生き方をしてしまうのです。しかし、テモテは、聖書と関係のないギリシャ文化の中にいたけれども、救われることができました。
 子どもの時教会学校に行ったことがある人が、大人になって思うままに歩んでいても、挫折や空しさを経験して、教会に足を運ぶ人がいます。小さい時に御言葉に触れているなら、大人になって人生について考えた時に、聖書や教会を思い出すのです。御言葉に触れただけでも違うのです。
 人は誰でも罪の性質を持って生まれて来ます。そのままでは、どんなに勉強ができても、どんなに出世しても、その罪によって生きるようになってしまいます。ですから、幼い時から聖書を教えなければなりません。ヨハネ3:16。人となって世に来られたイエス様は、人の罪の代わりに十字架にかかってくださいました。聖書の教えは、救い主イエス様に導いてくれます。
 大変な社会にあって、何を聞いて、何を持って育てられたかが大きく影響するようになります。14節。テモテは、パウロの後継者として、難しい働きをするようになります。その時、テモテを支えてくれたのは、おばあちゃんやお母さんから聞いた御言葉であり、教えてもらった信仰の生き方だったのです。学んで確信したことが支えとなりました。おばあちゃんやお母さんは、あの時あんなことを言っていたな。そうだ、あの御言葉を教えてくれた。そんなふうに思い出したりして、支えられたのです。

U−神の言葉である聖書は有益です−16
 ですから、幼い頃から、聖書を聞き、学ぶことが大切なのです。聖書は何を教えていると言っていますか。16節。「聖書はすべて神の霊感による」というのは、聖書は、確かに預言者や使徒たちが書いたのですが、彼らの著作物ではなく、その人たちが神に用いられ、神に導かれて書かれたものだということです。神の御言葉として信頼するのです。
 まず、「教えに有益」です。私たちは、新しい製品を手に入れて、それを用いる時、取扱説明書を読んで、それに従えば用いることができます。聖書は、私たちが人生を生きて行くのに必要な原則について説明しています。様々な場面、状況において、御言葉から適用を与えられるようにします。学校の勉強では、人はどんな存在なのか、人生はどう生きるのか教えてくれません。どんなに多くの知識を知っても、この最も大切な知識を欠けば、人生は混乱し、空しくなります。私たちの生活に問題が生じるようになります。私たちが神様の御心に従って生きるためには、神様の御言葉である聖書を知らなければなりません。
 聖書は、「戒め」に有益です。聖書は、私たちの誤りを指摘し、気付かせてくれます。ヘブル4:12。私たちが聖書を読むと、御言葉によって心が刺されることがあります。御言葉が生きていて、力があり、私たちの罪を責めるからです。神様の御言葉は、両刃の剣よりも鋭く私たちのたましいと霊を刺し貫き、私たちが悟っていなかった、罪までも自覚させてくれます。罪の蔓延している世間のものさしでは、到底気付くことはできません。みんなもやっているよ、というように、罪を自覚することなく、人々と同じように罪に生きるようになります。「でも、聖書はこう言っているよ」と教え、諭すのです。
 聖書は、「矯正」のために有益です。聖書は、私たちを矯正します。聖書は、罪や過ちを気付かせるだけでなく、私たちを矯正して、正しく立ててくれるのです。例えば、自信家のペテロがイエス様を三度も知らないと否定することになってしまいますが、イエス様はその失敗を指摘してペテロを立ち直らせてくださいました。ルカ22:32〜34。人が生きてみると、失敗したり、倒れたりしますが、落胆したり、挫折したままにないように、御言葉は私たちを立ち上がらせ、回復させてくださいます。子どもたちが成長して行く過程において、こういうことがどれほど必要なことでしょうか。御言葉によって優しく指摘して、立ち直らせてください。
 そして、聖書は「義の訓練」のために有益です。「訓練」という言葉の本来の意味は、「養育する、幼い子供を育てる」ということです。赤ちゃんは母の乳を飲んで育ちます。ですから、私たちのたましいは、御言葉を食べながら成長するのです。Tペテロ2:2。肉体の成長のために食べ物を与えるとともに、心の成長のために御言葉を与えなければなりません。

V−良い働きにふさわしく整えられる−17
 御言葉は、幼いテモテを養い育て、イエス様の救いへと導いてくれました。そして、成長させて、「神の人」と言われるようにしてくれました。17節。神の人とは、モーセやサムエルのような預言者を指して言われていますが、テモテも神の人として十分に整えられた者となったとまで言われています。聖書によって神様の人として十分に整えられた者なったテモテは、「すべての良い働きにふさわしく」能力を備えるようになりました。
 高い知識や能力を身に着けた人が、どれほど人を痛め、殺めることに手を下していることでしょうか。私たちも、愛する私たちの子どもたち孫たちも、良い働きにふさわしくされなければなりません。私たちが良い働きをする時、私たちの良い働きを見ながら、子や孫も神に栄光を表わすようになります。私たちは、子どもや孫に御言葉を聞かせるとともに、私たち自身が御言葉に生きなければならないということです。できるかできないより、純粋に真摯に御言葉に生きようとすることする姿勢が大切です。子や孫が私たちがその姿勢を見ることになります。
 それでは、良い働きとは何でしょう。Uテモテ2:21。御言葉によって養われ、整えられるなら、聖なるものとされて、世にあって神に用いられる者となります。家庭や社会での働きも、神に用いられ、導かれます。ですから、その良い働きも聖書にあるということです。それも、「すべての」とあります。すべて聖書にあるのです。人格を伴って成長してほしいですか。聖書を聞かせてください。確かな人生を歩んでほしいですか。聖書を見せてください。世で良い働きをしてほしいですか。聖書を読ませてください。
 いや、まず私たちがそのように生きたいです。御言葉に生きたいです。そうすれば、子どもも孫もそれを見て倣うようになるでしょう。Tコリント11:1。私たちは、自分の子や孫のためばかりではありません。世の人々の救いのためにも、神のあわれみを人々が受けられるように、私たちが神の人して十分に整えられた者となりたく願います。ピリピ3:17。
 使徒パウロは、いつ召されるか分からない状況の中で、テモテに遺言するようにこの手紙を書きました。ですから、私たちも遺言を残すように、聖書を読み聞かせ、聖書によって生きるように、イエス様の救いを受けて人生をしっかり生きるようにと子や孫に、信仰と御言葉を残したいのです。Tペテロ4:2。



Uテモテ3:14 けれどもあなたは、学んで確信したところにとどまっていなさい。あなたは自分が誰から学んだかを知っており、
3:15 また、自分が幼いころから聖書に親しんできたことを知っているからです。聖書はあなたに知恵を与えて、キリスト・イエスに対する信仰による救いを受けさせることができるのです。
3:16 聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。
3:17 神の人がすべての良い働きにふさわしく、十分に整えられた者となるためです。


Uテモテ1:5 私はあなたのうちにある、偽りのない信仰を思い起こしています。その信仰は、最初あなたの祖母ロイスと母ユニケのうちに宿ったもので、それがあなたのうちにも宿っていると私は確信しています。

ヨハネ3:16 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。

ヘブル4:12 神のことばは生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、関節と骨髄を分けるまでに刺し貫き、心の思いやはかりごとを見分けることができます。

Tペテロ2:2 生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、霊の乳を慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです。

Tペテロ4:2 それは、あなたがたが地上での残された時を、もはや人間の欲望のためではなく、神のみこころに生きるようになるためです。

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