2025年11月16日「覆いを取り払って」創世記8:13〜22
序−世の中には、一人合点というか、自分の判断が絶対という人がいます。どんなに専門家のアドバイスを聞いても、結局は自分の判断に頼り、アドバイスを聞かないで失敗するという人がけっこういます。私たちは、どうでしょうか。ノアの神の御言葉に対する従順さにならいたいのです。
T−地はすっかり乾いた−13〜14
長い洪水が終わり、水が引いたことを確かめました。だから、もう痺れを切らして、すぐに箱舟から飛び出したか言うと、ノアはそうではないのです。なぜでしょう。そもそも、ノアは神の命令に従って、箱舟に乗り込みました。創世記7:1,13。ですから、出る時も、神の命令を待っていたのです。待っていたノアは、箱舟の屋根の覆いを取って外を見て、地が乾いたことが確認できました。14節。水が引いても待たされたのには、意味があったのです。ノアは、それを知ることができました。
性急に箱舟から出ることはしないで、待っていて良かったのです。13〜14節。私たちは、ここに至って、水が引いただけではだめだということが分かりました。水が引いても乾いていなければ、大地は泥沼の状態です。うっかり飛び出したら、泥の中に沈んでしまいます。急いては事を仕損じる、なのです。「水は干上がった」と言われても、なお「大地がすっかり乾く」まではふた月ほどかかったのです。そういうことかと分かりました。問題に遭遇し、どうしてよいか分からない間は、どろどろした問題が固まって来るのを祈って待つということがあります。
よく病気の診断を受けても、指示されたように薬を服用したり、節制したりしないで、自分勝手な判断をする人がいます。それでは、病気は治りません。私たちも、御言葉に聞いても、自分の判断で行くということがないでしょうか。ノアは、本当に神の御言葉に従順な人でした。箱舟を造ることからして、人の判断ではとても造る気にはならなかったでしょう。しかし、言われた通りに造りました。そして、命令された通りに乗り込みました。たとえ、よく分からないとしても、神の言われることだから従ったのです。神の御言葉に聞き従うことが大事なのです。
ノアは、箱舟の中で洪水の滅びから救われた人生を過ごしていました。でも、箱舟でずっと生きて行くわけではありません。箱舟から出て、はじめて洪水から救われたことになります。出て来るように言われるまで、出ることができるようになるまで、その時を待たなければなりませんでした。2月17日に洪水が始まって、すっかり乾くのが次の年の2月27日です。14節, 7:11。一年間箱舟の中にいることになります。長い間待ったのです。ノアは、待つことのできる信仰でした。その間無駄ではありません。そうした間に、ノアの信仰は成熟して行きました。
私たちの信仰生活にも、待つ時があります。人生には、待つことが必要なことがあります。その間、辛く、悲しく、落ち込むこともあるでしょう。でも、ノアが箱舟の中で洪水に守られたように、その間も神に守られています。神の救いの約束を信じるのです。エレミヤ29:11。自分の考えや判断だけで性急にするのでなく、待ちながらその間するべきことをするのです。ノアは調べて、観察しました。私たちも御言葉に聞き、待つのです。待ちながら調べ、観察します。待つ期間に、私たちの信仰は成熟して行きます。
U−箱舟から出なさい−15〜19
そして、大地はすっかり乾きました。ついに箱舟から出る時が来ました。15〜17節前半。神がノアに箱舟から出るように言われました。最終的な決定は、神の御言葉に従うことです。ノアは調べて観察しましたが、神の御言葉より先立ちませんでした。最終的な権威は神の御言葉に置いたのです。イエス様を信じて救われた者は、人生の主権者は主だと告白したことになります。心の王座から下りて、主に座っていただいた者です。神が主権を持っておられると信じる者です。
どんなに出たいと思っても、早く出ましょうと言われても、ノアは神の時を待っていました。伝道3:1。烏や鳩を飛ばして、水が引いているか調べました。屋根の覆いを取り外して、地が乾いて行くのを観察しました。調べたけれども、自分勝手に何かをしようとしたわけではありません。自分ができることに最善を尽くしますが、神の御心を調べて進むのか信仰生活です。ですから、私たちは、調べたり、行動したりしますが、自分勝手に判断するのではなく、神の声を聞いて決断することが必要です。
ノアは、自分の判断に基づいて箱舟から出るのではなく、神様が「出て来なさい」と言われるまで待ちました。ノアは、神から「出なさい」と言われた後、すぐに家族とすべての動物もともに出ました。18〜19節。でも、なぜ出ることを躊躇しなかったのですか。私たちは、すぐに箱舟から喜んで飛び出るはずだと思います。しかし、想像してみてください。洪水の後の大地は荒れ果てています。以前のものは何もなく、誰もいません。洪水を経験し、不確かな未来に直面しています。そんな所で生活ができるのか、まだ箱舟の中の方がいいと思ってしまうかもしれません。色々心配して、葛藤することもありうるでしょう。
しかし、ノアは、そんなためらいや葛藤した様子は記されていません。すぐに出ることは、待つという姿勢とまったく違いますが、信仰は一貫しています。出るように神の命令があったので、すぐに出たのです。人は、道が開かれたにもかかわらず、そこから出ることをためらうことがあります。御言葉が示されたのに、決断を先延ばしにすることもあります。しかし、神の導きが示されたなら、その時そこから出るのです。示されたら、速やかに従うのです。ノアは、その信仰を教えてくれました。
私たちはどうでしょうか。 私たちは時々、神の導きよりも先に進みたくなりますが、行きなさい、出なさいと示されても、躊躇してしまうこともあります。創世記19:16。私たちは、神の導きを待ちますし、導きがあれば、速やかに従う者でありたいのです。詩篇119:60。私たちが何かに捕らわれているならば、神は捕らわれ人に「出よ」と言われます。イザヤ49:9。汚れたものに触れているのならば、主の器を担う者たち「そこから出よ」と言われます。イザヤ52:11。御言葉の導きが示されています。
V−回復−20〜22
神の命令に従って箱舟から出ると、何があったのでしょうか。祝福と回復がありました。17節後半。まず、「地に群がり、地の上で生み、そして増えるようにしなさい」と、神は、人を創造された時に人に与えられた祝福を洪水の後に再びノアに与えられ、回復されました。創世記1:28。これまでは、待ちましたが、いよいよ動き出します。その時が来ました。私たちの人生においても、中々思うように進まない、どう歩んでいいか分からないことありますが、時が来れば、神の導きが示されれば、動きます。
確かに、私たちは先のことは分かりません。でも、私たちは、神の約束の御言葉を握り、神の時を待ちながら、信仰で進むことができる幸福な人生なのです。ノアのように待ちながら、動くように言われる時に動くのです。出ることを不安に思い、出ることを拒否したのなら、祝福も回復もありません。新しい地を見ることもありません。期待や喜びもあったでしょうが、不安や恐れもありました。それでも、出て来ました。
ノアが箱舟を出て最初にしたことは何でしょう。元住んでいた所を捜しましたか。新たな食料を探しましたか。それだって、必要なことです。しかし、最初にしたことは、礼拝でした。20節。祭壇を築いて、ささげ物を献げました。つまり、礼拝をしました。食料を求めることや元の生活を再開することは急務のはずでした。でも、最初に礼拝をささげて、神を覚えたのです。なぜでしょう。
洪水という裁きから箱舟によって救われたノアが、この経験によって悟ったことは、神なしでは何もないということでした。人が力や知恵を持ったとしても、強い文明を築いたとしても、すべてはなくなってしまいました。重要なのは神であり、神の御言葉を握ることが自分の人生にとって最も重要であることに気づきました。それで、箱舟から出たら、まず礼拝をささげたのです。私の人生の主人は自分ではなく、神が私の人生の主だということを告白しているのが礼拝です。私たちも、礼拝を優先します。
ノアが礼拝をささげた時、神はそれを喜ばれ、祝福と回復を約束されました。21節。「人の悪のために、再び洪水で滅ぼすことはしない」という約束は、本当に恵みです。原罪のゆえに罪の性質を持つ人々が、また悪くなって悪が増え広がったら、また裁かれるという恐れがあります。この約束は、どうやって果たされるのですか。私たちから罪を取り除いて、裁きから救ってくれるのは、イエス様の十字架だけです。イエス様は、私たちの罪の代わりに十字架に死なれた救い主です。Tペテロ3:18,Uコリント5:21。イエス様の十字架の血だけが私たちを救ってくれます。Tテモテ2:6。
「大地を呪うことはない」ということは、大地も回復し、収穫の祝福を受けるということ約束です。22節。新しい地でのノアたちの生活環境の祝福と回復です。私たちも、神の導きに従って行く時、神が人生の舞台と生活の場を祝福してくださり、回復してくださいます。神が私たちを覚えてくださり、新しい道を開いてくださいます。その道を知って従うことができるのが、礼拝者です。神の御言葉の導きを受け、祝福の人生を生きることを願います。伝道者の書3:1。
創世記8:13第六百一年目の第一の月の一日に、水は地の上から干上がった。ノアが箱舟の覆いを取り払って眺めると、見よ、地の面は乾いていた。
8:14 第二の月の二十七日、地はすっかり乾いた。
8:15 神はノアに告げられた。
8:16 「あなたは、妻と、息子たちと、息子たちの妻とともに箱舟から出なさい。
8:17 すべての肉なるもののうちあなたとともにいる生き物のすべて、鳥、家畜、地の上を這うすべてのものが、あなたとともに出るようにしなさい。それらが地に群がり、地の上で生み、そして増えるようにしなさい。」
8:18 そこで、ノアは、息子たち、彼の妻、息子たちの妻たちとともに外に出た。
8:19 すべての獣、すべての這うもの、すべての鳥、すべて地の上を動くものも、種類ごとに箱舟から出て来た。
8:20 ノアは主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜から、また、すべてのきよい鳥からいくつかを取って、祭壇の上で、全焼のささげ物を献げた。
8:21 主は、その芳ばしい香りをかがれた。そして、心の中で主はこう言われた。「わたしは、決して再び人のゆえに、大地にのろいをもたらすことはしない。人の心が思い図ることは、幼いときから悪であるからだ。わたしは、再び、わたしがしたように、生き物すべてを打ち滅ぼすことはしない。
8:22 この地が続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜がやむことはない。」
伝道者の書3:1 すべてのことには、定まった時期があり、天の下のすべての営みに時がある。
詩篇119:60 私は急いで、ためらわずに、あなたの仰せを守りました。
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